楽天は7月27日、楽天市場や楽天ネットスーパー、楽天トラベルなど、楽天グループの各サービスで横断的に利用できるクーポン発行管理プラットフォーム「楽天クーポン」を発表した。
楽天ではこれまでに、楽天市場の出店店舗向けに簡易版クーポン発行システムを試験的に無償提供してきた。このシステムでは、1商品に対応するクーポンしか発行できず、値引き額や利用期限しか設定できなかった。
今回運用を開始した楽天クーポンでは、これまでの機能に追加して、複数商品への対応や「50%引き」「30%引き」といった値引率による割引設定、利用ユーザーの限定といった詳細な条件を組み合わせてクーポンを発行できる。また、クーポンの利用履歴などをリアルタイムで管理、レポートできる機能も備えた。最近では共同購入型のクーポンサービスが増えているが、こういった機能については「現時点で実装は考えていない」(楽天グループマーケティング部部長の堀内公博氏)という。システムの利用料は現在未定。
クーポンはクーポン提供元からメールなどで配布されるほか、印刷物でも提供できる。印刷物などにある専用コードを入力したり、サイト上にある専用ボタンを押下してクーポンを取得すれば、ユーザーはサービスを横断してクーポンを管理できる。なお利用には楽天への会員登録が必要となる。
楽天クーポンでは、原資負担元によって3種類のクーポンを用意する。楽天に出店する店舗や施設が原資を負担する「ショップクーポン」、楽天の各サービスが原資を負担する「サービスクーポン」、メーカーなど外部企業が原資を負担する「メーカークーポン」だ。
メーカークーポンについては、バナー広告と組み合わせて特定商品向けのクーポンを提供することで、商品購入やリピートの促進を図るなど、新たな商材としての可能性を見込む。
また、クーポンの利用履歴や商品の購買履歴、ユーザーの属性などをマーケティングデータとして利用して、特定のクーポン利用者、商品購入者限定でのレコメンデーションなども手掛けていくという。
楽天ではこれまで、ポイントサービスの「楽天スーパーポイント」をはじめとしたマーケティングツールを提供してきた。今回、購入時点で値引きや特典を提供できるクーポンを提供することで、ポイントの恩恵を受けられない新規ユーザーに対してのロイヤリティ向上を狙う。
まず8月初旬より、楽天グループのネッツ・パートナーズが運営する楽天ネットスーパー加盟全店で利用できるサービスクーポンを発行する。その後9月には楽天市場で、2010年度第4四半期〜2011年度第1四半期には楽天トラベルでそれぞれ導入を進める。
将来的にはグローバル対応も進めるほか、Edyや楽天ダイニングポイント加盟店とも連携、ネットだけでなくリアル店舗でも利用できるサービスとして展開していくという。
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