楽天は7月2日、インターネットショッピングモール「楽天市場」の出店店舗向けイベント「楽天EXPO 2010」を都内で開催した。東京を皮切りに全国6カ所で開催する。
楽天代表取締役会長兼社長である三木谷浩史氏は同イベントの講演で、「ネットの伝播力は凄まじい。口コミの力をどのように使うかがビジネスの勝敗を分ける」と語った。エンターテインメント性とソーシャル性を持つコミュニティ内で成功する秘けつは、“ネタ”であると同氏は強調した。ここでいうネタとは、消費者が共有・発信したくなる情報を指している。
三木谷氏は出店店舗にとって重要な要素として、ネタのほかに店舗の質と顧客対応を挙げ、「すでにテレビでは物が売れなくなっている。出店店舗にとって根本は質だが、ネタが良ければ良いほど二乗で伝播する」と述べた。
これまでのECサイトは、購入の利便性や早さ、来店を肩代わりするといった機能面をユーザーは重視していたという。一方で今日のECサイトは、ユーザーにとって“情報の拠り所”になっていると同氏は分析する。
「人間は情報を発信したがる生き物。購買の大半が友人や知人のおすすめをきっかけにしている」と三木谷氏。現在楽天サービスのレビュー数は約4000万件だが、将来的に1億件を突破すると予測している。さらにリアルタイム性や臨場感を持つモバイル端末が、一気に伝播力と情報の広がりを加速させるとしている。
楽天はこれらの膨大な情報を整理するため、「ユーザー同士が強烈に共鳴するシステムを開発している」(三木谷氏)ことを明らかにした。たとえば商品を購入すると自動でブログやつぶやきなどが更新されるサービスなど、「ネットのつながりを利用したサービスを楽天グループは矢継ぎ早にリリースする」と今後の展開について述べた。
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