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マイクロソフトが「Windows Phone 7」試作機を配布開始

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:末岡洋子2010年07月21日 11時43分
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 Microsoftは米国時間7月19日、LGとSamsungが作成した「Windows Phone 7(WP7)」の試作機数千台を世界の開発者に向け出荷開始した。この試作機では、完成に近いTechnical Previewが動いている。

 Microsoftはいよいよ正念場を迎えることになる。同社は、Apple、Android、それにRIMとはルック&フィールが異なるモバイルプラットフォームを1から開発し直した。だが、開発したものの、開発者がついてくるだろうか?WP7アプリの量と質を得るにあたって、Microsoftは自社開発ツールをあてにしており、開発者向けの活動プログラムと保証(WP7アプリの売れ行きが予想を下回った場合の支払いという形)を提供する。

 Engadgetが指摘している通り、WP7試作機のパッケージに“developers, developers, developers”と書かれているのも偶然ではない(残念ながら、モンキーダンスをする最高経営責任者のSteve Ballmer氏のおもちゃは入っていない)。WP7は10月に欧州、11月に米国で発売予定で、WP7のハードウェアとデータ料金プランは、WP7が競合機種とどのような戦いを展開するのかを決定する重要な要素となるだろう。だが、開発者が構築するアプリケーションの数と種類も、成否を決定する重要な要素となる。

 Microsoftは社内にエバンジェリストチームを結成して、数カ月前から開発者にWP7を奨励している。「Apple iOS」や「Android」が注目を集めてシェアを増やし、「Windows Mobile」離れが進む中で、彼らはどのような最終目標と開発者獲得計画を掲げるのか。わたしはこの数週間、複数のエバンジェリストと話をして、これを探ってきた。

 20年Microsoftに勤務するベテラン、Charlie Kindel氏は、Windows Phone Developer Experienceの取り組みを展開しており、Microsoftの開発者獲得活動で重要な役割を果たしている。モバイル分野における新しいフォーカス(と、プロジェクトの開発サイドを展開するために任命された重要人物らの名前)について話を聞いた後、Kindel氏は2009年2月にチームに参加した。

 「Windows Phoneは勝負ではなく、どちらかというと手段だ」とKindel氏。「開発者はもはや、アプリケーションを単なるクライアントコードとは考えていない。この10年間、中核部分はクラウド内にあり、リッチクライアントはこの中核を“ライトアップ”するものとなった。これが何を意味するのかというと、同じアプリケーションをさまざまな画面にポーティングすることが重要なのではなく、すべての画面をまたがるアプリケーションコンポーネントを作成することが重要となる。エクスペリエンスが変わっている中でアプリにはどのような外観がふさわしく、どうやってそれを実現するのか?サポートされる画面の1つにWP7が加わるようにしたい」とKindel氏。

 (ここでいう「クラウド」は、Microsoftの「Azure」のようなクラウドサービスかもしれないし、Twitterのように他社が構築したクラウドサービスかもしれない。あるいは、通知、位置情報、「Xbox Live」などのように、WP7固有のサービスかもしれない、とKindel氏は説明した)。

 Kindel氏自身はWP7で何か新しい発見はあったのか、他の人が驚くようなことは何か、Kindel氏に聞いてみた。すると、Kindel氏は先に行った欧州ツアーで7000人の開発者に話をしたときのことを話してくれた。Microsoftの開発ツールを使ったことがある人はどちらかというと少なかったという(あるミーティングでは、何らかのMicrosoftツールを使ったことがある開発者は約10%に過ぎなかったとのことだ)。Microsoftが「Visual Studio」とWindows Phone開発ツールを披露したところ、「リアクションは信じられないといった様子だった」とKindel氏。なぜなら、「われわれのツールは非常に良いものだったからだ」と続ける。

 「開発者は使い慣れたツールを使いたいと思っているが、同時にエンドツーエンドプロセスについて全体的に考えている人がいることを知りたいとも願っている」とKindel氏。「Microsoftはこれら開発分野に投資しているが、われわれのツールを全て使う必要はないのだ」。

 MicrosoftはWP7を検討している開発者に対し、「Silverlight」または「XNA Framework」を使ってアプリケーションやゲームを開発できるというメッセージを発信している。Microsoftは、「Windows Phone Marketplace」で提供されるのはMicrosoftの承認したアプリケーションのみで、透明性のあるアプリケーション承認プロセスを持つとし、これらは開発者やユーザーにとって朗報だとしている。

 Microsoftの開発者向け取り組みがどんなに良くても、Kindel氏は、WP7向けアプリ開発に金銭的チャンスがあるということを、全員の開発者に説得できるとは思っていない。

 「インストール市場は大きくないので、素晴らしいユーザーエクスペリエンスを提供すべくいかにわれわれが投資しているのかを示す必要がある。マーケティングと開発の両方で本気だということを示さなくてはならない」とKindel氏は述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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