MobileTechWorldが報じているように、Microsoftは2011年末までに「Windows Phone 7(WP7)」端末の販売台数は3000万台に達するという調査会社のInternational Data Corp(IDC)の予測を売り込んでいる。
これは(控えめに言っても)かなり野心的な目標だ。第一世代のWP7端末は2010年末にようやく出荷が始まる。そして、「Windows Mobile(WM)」は直近の四半期において、世界のモバイルOS市場でシェアを6.8%に下げた(「Symbian」が44%のシェアを占めてトップを維持しており、「BlackBerry OS」は19%、「iPhone OS」は15%となっている)。
アップデート:AllThingsDigitalによると、IDCは同社の予測値がMicrosoftによって不正確に取り上げられたと述べているという。IDCは、「Windows Phone」の販売台数(WP7と「Windows Mobile 6」系を合わせた合計台数)が3200万台に達すると予測している。しかし、今秋時点で(WP7と後方互換がない)WM6系携帯電話を購入する人がどれだけいるだろうか?細かいことは抜きにしても、筆者の考えでは、IDCは依然として、Microsoftが2011年時点で3000万台近くのWP7端末を販売する見込みであると述べている。
Microsoftがこの成長がどこからくると見込んでいるのかについて、MobileTechWorldのMakram Daou氏の意見を聞いてみたいと思っていた。Daou氏はパリで開催のReMIXカンファレンスに出席しており、Microsoftはこのイベントで、WP7に関する最新の予測について話した。
Daou氏は、MicrosoftがNokiaやRIM、Apple、Android端末ベンダーからシェアを奪う必要は必ずしもないだろう、と述べた。しかしながら、既存のWindows Mobile携帯電話がWP7にアップグレードすることに期待しているわけでもないという。Microsoftの関係者らは、予測された3000万台のWP7端末の大部分は、現在「多機能携帯電話(feature phone)」を利用し、スマートフォンにアップグレードすることを検討しているユーザーが占めることになると主張している。
Microsoftは、Windows Phone OSのライセンス使用料からそれほど大きな利益を得られなさそうであるという点も考慮する必要がある。しかし、Microsoftの関係者らは、WP7端末をこうした携帯電話向けのまだ未発表のクラウドサービス(つまり、ゲームの「Xbox Live」や音楽/動画サービスの「Zune」、「Microsoft My Phone」の後継サービスなど)やモバイル広告が生み出すより大きな売上へのパイプ役として見ている(関連して、Microsoftが音楽サブスクリプションサービス「ZunePass」の価格を現在の月額15ドルから10ドル近くに値下げするという情報がある)。
結局のところ、WP7の成功はWP7端末を提供する携帯電話事業者に依存することになる。データ/サービスプランが割高であれば(Verizon Wirelessの「Kin」のように)、WP7端末の品質とアプリケーションが実際的意義を失うことになるだろう。
これらの細部は抜きにして、Microsoft(とIDC)はWP7の予測について現実と大きくずれているのだろうか?それとも、WP7は、ローエンド携帯電話ユーザーを新たに獲得できるほど魅力的で新しい端末になるのだろうか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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