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解説:市場急回復のなか再編続く半導体事業の難しさ - (page 2)

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 ここにきて、半導体市場は回復の兆しを見せている。

 米国半導体工業会(SIA)が発表した、2010年5月の全世界における半導体市場規模は、前年同月比48%増の246億5000万ドル(約2兆2000億円)となり、過去最高を2カ月連続で更新している。新興国を中心に、PCや携帯電話の売り上げが伸びていること、先進国における企業のIT投資意欲の回復によるサーバやPC需要の伸張が背景にある。

 世界半導体市場統計(WSTS)でも、2010年における世界の半導体市場規模は、前年比28.6%増の2909億ドルとし、3年ぶりに増加に転じるとともに、1984年の調査開始以来、市場規模は過去最大規模になるものと予測している。さらに、WSTSでは、2012年度まで過去最高を更新し続けるという予測を立てているほどだ。

 また、半導体トップの米Intelが発表した2010年4〜6月期決算も、売上高が前年同期比で34%増の107億6500万ドルと過去最高を達成。最終利益も28億8700万ドルの好業績となった。同社では7〜9月期もこの勢いが持続すると予測。売上高は112億〜120億ドルとなり、引き続き過去最高を更新するという強気の見通しを立てている。

 さらに業界2位の韓国サムスンは、今後1年間で11兆ウォン(約8000億円)を、半導体の設備投資および研究開発に投資することを発表。世界3位となる東芝も、昨年春の着工を延期していた三重県四日市市の半導体製造拠点の新棟建設を再開。来年夏にも最新技術によるフラッシュメモリの生産を開始する。同社では、今後3年間で4000億〜5000億円の投資を計画している。

 エルピーダメモリも、前年比2.6倍規模となる1150億円を設備投資計画を発表。NECエレクトロニクスとルネサステクノロジを統合したルネサス エレクトロニクスも、事業規模を拡大した強みを生かして、携帯電話向け製品の増産などを図る。

 だが、半導体市場が急激に回復の兆候を見せたとしても、各社の姿勢は慎重にならざるを得ない。これまでにも過剰供給を背景に各社の業績が悪化するなど、「水モノ」といわれる半導体ビジネスは浮沈が激しく、そのかじ取りが難しいからだ。投資産業であるがゆえのリスクも大きく、変化の激しい技術進化、価格下落といった要素も見逃せない。

 半導体各社は、市場が過去最高の規模へと膨らむ中で、積極的な投資を求められ、より慎重な経営判断が求められる局面を迎えつつあるようだ。

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