IDCが米国時間4月29日に発表した調査結果によると、2010年第1四半期における世界のマイクロプロセッサ出荷数は前年同期比で39%増加し、市場回復への道筋を付けたという。
第1四半期の出荷数は実際には前期比で5.6%減少したが、第4四半期から第1四半期にかけて出荷が減少するのは、この業界では通常の季節変動パターンである、とIDCは述べた。そして、5.6%という減少幅は例年を下回るものだった。
「通常、PCプロセッサの出荷は第4四半期から第1四半期にかけて、約7〜8%減少する」とIDCの半導体部門パーソナルコンピューティングリサーチ担当ディレクターであるShane Rau氏は声明の中で述べた。「5.6%の減少は小幅なものであり、それ自体に大きな意味はない。しかし、2009年第4四半期に出荷数が大幅に伸びたことを考慮すると、市場が回復していること、そしてPC業界が2010年にPCの最終需要拡大を見込んでいることを裏付けるさらなる証拠である」(Rau氏)
出荷の健全な成長により、チップ業界の第1四半期売上高は前期比でわずか2%減にとどまった。前年同期と比べると、売上高は40.4%増加した。コンピュータの種類別で見ると、モバイルPC向けプロセッサの売上高は前期比で6.3%減少した。デスクトップ向けプロセッサは5.1%減、サーバ向けプロセッサは1.4%減だった。
大手チップメーカーの第1四半期における業績を見ると、Intelが市場シェアを0.5ポイント拡大して81%となる一方で、AMDのシェアは0.6ポイント縮小して18.8%となった。業界3位のVia Technologiesは0.2%の市場シェアを獲得した。
IDCは2010年の見通しについて、PCプロセッサの世界出荷数が15.1%増加すると予測している。しかし、第1四半期の結果や在庫の少なさ、半導体ベンダーおよびPCメーカーによる堅実な業績見通しを考慮すると、増加幅はさらに拡大するかもしれない。
「IDCは2010年第2四半期を注視するつもりだ」とRau氏は話した。「特に、予想される企業IT支出の増加に注目したい。また、設備投資の長期にわたる低迷を経て、PCコンポーネントサプライヤーが本当に最終需要が堅調と考え、生産を拡大する意思があるのかどうかを確かめるため、彼らから話を聞くつもりだ」(Rau氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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