ヤマハ発動機は7月14日、動力に電気を用いた電動二輪車「EC-03」を発表した。排出ガスゼロのゼロエミッション・エレクトリック コミュータとして普及を目指す。価格は25万2000円。東京をはじめとする首都圏では7月15日から予約受付を開始し、9月1日に発売する。全国規模では9月15日から予約を受付、10月1日に発売する。
ヤマハ発動機の代表取締役社長である柳弘之氏は「環境問題やエネルギー問題など、低炭素社会への動きが強まってきた。二輪車は低燃費、低価格、省スペースと低炭素社会において有用性が高まりつつある。同社では、電動車椅子や電動アシスト自転車、電動二輪車などを販売し、2009年度には210億円を売り上げた。今後は世界の電動二輪車市場に本格参入し、将来トップシェアを目指したい」と目標を話した。
EC-03は、100%電気で駆動する電動二輪車だ。バッテリ部には三洋電機製の50Vリチウムイオンバッテリを採用し、独自の超薄型パワーユニット「YIPU(ヤマハ・インテグレイテッド・パワーユニット)」を用いることで、排気ガスゼロ、走行音も静かな電動二輪車を実現したとしている。
バッテリへの充電は、家庭用電源にプラグを挿し込むだけのプラグイン充電方式を採用。約6時間でフル充電となり、約43km(30km/h定地)の走行ができるという。ヤマハ発動機によると一充電あたりの電気代は約18円になる。
バッテリの充電装置はシート後部に組み込まれており、着脱は不可。充電は約500回繰り返し使用ができ、電池容量が落ちてきた場合は取扱店での電池交換に対応するとしている。その際の費用は手数料込みで7万5000円程度。
軽量のアルミフレームを使用し、重量は56kg。通常のスクータに比べ約3割の軽量化を実現したとしている。バッテリ、コントローラ、充電器、メータには、相互通信回路を設け、車両全体を総合制御する独自のシステム「YMCS(ヤマハ・ミューチュアル・コミュニケーション・システム)を搭載。走行中、充電中などの状態に応じて、システム起動や、モータなどの制御を自動化することで、手軽な操作を実現したとしている。
ボディカラーはホワイトとブラウンの2色を用意。国内で年間1000台を販売する予定だ。
今後は2011年に台湾、欧州をはじめ、順次海外の電動二輪車市場へも進出していく方針。2010年代中頃までには、3、4機種のバリエーション展開を発表し、2020年に向けラインアップを充実するしている。
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