Facebookはマレーシアで現地時間7月7日遅く、同国を拠点に決済技術を手がけるMOL Globalと提携し、MOLのオンラインチャネル、および南アジア地域とオーストラリア一帯に広がる同社の小売店舗を通じて、仮想通貨「Facebook Credits」を販売すると発表した。MOLの「ネットワーク」は、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、オーストラリアといった国々のサイバーカフェ、コンビニ、オンラインバンクなど、50万以上の店舗からなる。(少なくとも最初は)マレーシアとシンガポールで、MOLとFacebookの共同ブランドによるギフトカードが販売される予定だ。
米国でMOLは、2009年末にソーシャルネットワーキングの草分けであるFriendsterを買収した企業として最もよく知られている。
Facebookは何年も前からEコマースや決済事業を自社サービスに取り込みたいと考えてきたが、これまでに何度も計画の撤回や破棄を繰り返してきた(同社が「Facebook Wallet」と呼ばれる製品で「PayPalキラー」の座を狙っているとのうわさがあったことを覚えているだろうか)。その後2009年には、Facebookのプラットフォーム向けに開発されているさまざまな人気の高いサードパーティ製ゲームでバーチャルグッズを購入できる仕組みの構築を最重点分野とすることを明らかにした。
FacebookがこれまでEコマースの計画を大々的に展開することに躊躇していた理由の1つは、既存のユーザー基盤や企業どうしの提携関係を有する確立された企業が、市場にはすでに数多く存在していたからだ。そこでFacebookは、こうした企業との提携に着手した。同社は2010年に入ると、eBayが所有する決済システム会社として190の市場で24種類の通貨を取り扱うPayPalと提携し、Facebook CreditsをPayPalで購入できるようにした。Facebookはまた、モバイル決済を手がける新興企業Zongとも提携し、少額の決済を直接ユーザーの携帯電話の請求書に含めるようにした。
だがEコマースは、世界でも文化と地域によって取り組み方が異なる。そこでFacebookは、現地のデジタルコマースおよびバーチャルグッズ関連業界の成熟度に応じて地域的な提携を進めようとしている。一例を挙げると、アジアの国々におけるバーチャルグッズ関連業界は巨大で、これはFacebookにとって先を読むためのテスト市場となるのはもちろん、この地域でFacebook Creditsを普及させるには、一段と知名度を高め、さらに利用しやすい仮想通貨にする必要があるということでもある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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