少し前にAppleは、Windows PCからMacに乗り換えたWindowsユーザーに焦点を当てた“乗り換え”キャンペーンを展開した。
MicrosoftはAppleのこのキャンペーンにヒントを得て、「Google Apps」からMicrosoftのオンラインホスティングサービスに移行した顧客にフォーカスしたキャンペーンを展開している。
Microsoftは2010年5月、Google AppsからMicrosoftの「Business Productivity Online Suite(BPOS)」に乗り換えたSerena Softwareの事例を(かなり巧妙な方法で)宣伝した。SerenaはGoogle Appsの顔だったことを考えると、Microsoftがあまりしつこく強調しなかったことにわたし個人は驚いた。SerenaがGoogle Appsを捨ててMicrosoftに戻るまでには紆余曲折があったようで、うわさでは、MicrosoftがSerenaに割引価格を提供した--無料にしたのではなく、魅力的なライセンス条件を提示したといわれている。だが、これまでのところ、SerenaもMicrosoftも取引内容について詳細情報を公開していない(Serenaの“公式”声明文以外は)。
時を同じくして、数年前にGoogle Appsのサポートを開始した発言力のある大手再販パートナーCapgeminiもBPOSへの忠誠を表明している。
米国時間6月21日、Microsoftは自社ブログ「Why Microsoft」で、Google Appsから移行した事例として、China NavigationとIntero Real Estateの2社を紹介している。
China Navigationは従業員300人で、「サポートと信頼性の問題」からGoogle AppsからBPOSに移行したという。一方、米カリフォルニア州のGoogle本社“Googleplex”に近いところにあるという2000人の従業員を抱えるIntero Real Estateは、グループポリシー管理などのエンタープライズ級の機能が必要だったからMicrosoftに移行したとのことだ。Intero Real EstateにとってGoogle Appsの機能はシンプルすぎた、とMicrosoftは記している。
以下は、Why Microsoftブログからの引用だ。
「15人程度の小規模チームをGoogle Appsにマイグレーションすることと、2000人以上の全ユーザーを動かすのとはまったく違うことだと思う」とIntero Real Estate ServiceのITディレクターEric Rees氏は述べている。
(この注意深い言葉遣いからすると、InteroはGoogle Appsを完全に捨てたわけではないように見える。詳細がわかれば追加で報告したい)。
事例で紹介された顧客から直接話を聞いたわけではないし、Googleからも話を聞いていない。だが、MicrosoftがBPOSで攻勢に出ている--「Office」でも「SharePoint」でも、このような攻勢に出たことはない--のは興味深い。クラウドホスティングアプリケーション分野は、自制のない激しい戦いになるのかもしれない。
Googleや顧客からなにか情報があれば、このブログで報告したい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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