NECは6月16日、中近東、アフリカ地域における事業体制強化のため、6月11日付でトルコのイスタンブールに「NEC Telecommunication & Information Technology Ltd」を設立したと発表した。新会社の社長には、黒崎裕伸氏が就任している。
今後は、欧州、ロシアCIS、中東、アフリカを中心としたEMEA(Europe, the Middle East and Africa)地域を統括するNECヨーロッパの傘下で、中近東、アフリカ市場向けの事業を推進する。新たな地域事業の獲得を積極的に図るとともに、統括機能の強化、オペレーションの効率化、CSR推進機能などのガバナンスを行い、同地域での事業を拡大していくとしている。
NECは、1960年代にトルコ向けに初めて衛星通信システムを納入して以来、主要通信機器ベンダーとして超小型マイクロ波通信システム「PASOLINK」をはじめとする通信機器を納入した実績があり、他にも放送機器、郵便自動化システムなど幅広く事業を行ってきた。1998年の同国の携帯電話市場の開放により、トルコの携帯電話市場は、2009年末時点で加入者数が約7000万人を越えている。その中で、NECのPASOLINKは、同国の携帯電話事業者3社すべてに納入するなど、トップレベルのシェアを維持しているという。
今回の新体制は、イスタンブール駐在員事務所の営業機能を拡大し販売法人化することで、これまでの同国におけるノウハウや過去の実績を活かしながら、現地営業と技術部隊が一体となったビジネス体制を構築するもの。ワイヤレス分野において同社は、ハードウェア機器の提供をはじめとして、製品やサービスのカスタマイズ、独自のツール開発によるエンジニアリングサービス、保守サポート業務などのノンハードビジネスも含めたトータルソリューションを、トルコのみならず他の中近東、アフリカ市場に提供していくという。さらに今後は、指紋照合システムなどを活用したセキュリティソリューション分野、クラウドサービス等のIT分野、フェムトセル等のブロードバンドワイヤレス分野についても現地化推進による事業拡大を計画しているという。
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