ソースネクストは6月15日、日本語や英語を話すと音声翻訳できるソフト「超速通訳 ツージル」とクラウドサービス「Evernote」のプレミアムサービスをパッケージ版にした「EVERNOTE スターターパック」を7月2日に発売すると発表した。
超速通訳 ツージルは、小型のPCにインストールし、旅行先で持ち歩いて使うことを想定したものだ。小型のマイクが付属し、マイクに向かって話しかけると、日英双方向を音声翻訳する。翻訳時間は約1.5秒と速いのが特長で、より実用的なコミュニケーションができるとしている。
設定も不要で、日本語特有の「主語なし表現」も翻訳できるほか、最初に手続きをしておけばインターネットに接続しなくても使用できる。また、「ジーニアス英和辞典MX」「ジーニアス和英辞典MX」を丸ごと収録しているのも特長のひとつだ。
価格は、超速通訳 ツージルの通常版が6万4800円で、 学割版は4万9800円。
EVERNOTE スターターパックは、Evernoteの3カ月分のプレミアム会員権と書籍「EVERNOTE ハンドブック」の一部をPDF化した特別版をパッケージにしたもの。価格は1500円。
Evernoteは無料で利用できる「スタンダード」とアップロード容量の拡大や広告が非表示になる「プレミアム」のサービスがある。EVERNOTE スターターパックの期限終了後は、パッケージを買い足すか、EvernoteのサイトもしくはiTunesでの決済を利用することになる。Evernoteのサイトでは、プレミアム会員として月額5ドルまたは年額45ドルのカード決済が行えるほか、iTunesではアドオン課金として月額600円または年額5200円で利用できる。
今回のパッケージは、6月1日に発表されたソースネクストとEvernoteの提携を受けて実現したものだ。発表会にはEvernote CEOのPhil Libin氏も登壇し、「クラウド経由でソフトを買うことを躊躇している人には、パーフェクトなソリューション」と話す。
また、ソースネクストとの提携の狙いについて、「日本は米国に続くマーケットで、最優先で取り組んでいる。今後は、これまでになかったマーケットを開拓したい。現在は350万人のアーリーアダプター層のユーザーがいるが、この方たちは先進のテクノロジを喜んでつかってくれる人。提携で期待しているのは、われわれの中にはなかったメインストリームの方々との関係構築だ」と笑顔を見せた。
ソースネクスト代表取締役社長の松田憲幸氏は、「3日間、十数時間に渡ってオフィスを訪れた。社員の人柄のよさ、それが提携の大きな決め手になった。それがサービスという形で現れているのではないかと実感している」と米国のEvernoteに訪れた時のエピソードを明かした。
今後の戦略について、「PCソフトほぼ1本でやってきたが、先進的なクラウドサービスと提携することで、マルチプラットフォームを意識した新しいサービスを作れるのではないか。具体的にはWindowsしかない製品に対してマルチプラットフォームで出し、さらにクラウドを組み込んでいく。製品企画や販売戦略で大きな効果があると思っている」と語った。
なお、発表の中でiPad向けのソフト第1弾として、映画を題材にした英語学習ソフト「超字幕」を開発していることを明らかにした。超字幕はソースネクストの主力製品で、映画やDiscoveryによるドキュメンタリーをラインアップしている。
「iPad対応のアプリケーションは、すぐにでも出したいと思っていた。寝転がっても英語の学習ができる。モックを作ってみて、これは非常にいいと思った」(松田氏)という。今後は、2010年3月までに超字幕を含め50タイトル以上を発売したいと意欲を見せた。
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