次世代「iPhone」の試作機が流出した事件で、当局は捜査の一環としてGizmodo編集者から押収したコンピュータ、サーバ、その他の電子機器の調査をついに開始した。
カリフォルニア州サンマテオ郡のStephen Wagstaffe次席検事は米国時間6月2日、米CNETに対して、4月下旬にGizmodo編集者Jason Chen氏の自宅からの押収物を調べるための「特別補助裁判官」を裁判所が任命したと語った。裁判所は特別補助裁判官に、Gizmodoが5000ドルで買い取ったiPhone試作機とGizmodoの関わりについての情報のみを集めるように求めたという。
3月に、カリフォルニア州レッドウッドシティのバーを訪れたAppleの従業員が、問題の携帯電話、つまり次世代iPhoneの試作機、を紛失した。この試作機を入手したBrian Hogan氏は、それをGizmodoに売却した。警察は窃盗事件として捜査を開始し、カリフォルニア州フリーモントにあるChen氏の自宅に召喚状を送達した。Chen氏およびGizmodoの親会社Gawker Mediaの代理人は、ニュース編集室の捜索を制限するカリフォルニア州法を引き合いに出し、Chen氏の財産の押収に用いられた捜索令状は「無効」だと主張している。
検察当局の見方は異なる。報道記者を保護する法律が適用されるかどうかを考慮した上で捜索の続行が決まったと、Wagstaffe次席検事は語った。
Chen氏の機器は押収されたが、捜索の合法性がはっきりするまで調査を進められなかった。Wagstaffe次席検事は、Chen氏の代理人である弁護士のThomas Nolan氏との間で、Chen氏の所有するコンピュータその他の機器の調査方法に関する合意ができたと述べている。Nolan氏にインタビューを求めたが、返答は得られなかった。
Wagstaffe次席検事によると、特別補助裁判官は裁判所が任命する無給の係官で、裁判所の命令が順守されていることを確認する役割を担う。通常はボランティアで、元裁判官や法律を専門とする大学教授などが多い、とWagstaffe次席検事は話している。特別補助裁判官には、担当する事件とは無関係の人物を指名することになっている。Chen氏の所有物を調査している特別補助裁判官が誰なのかは裁判所の命令により明らかにできない、とWagstaffe次席検事は述べた。
捜索を行った後、特別補助裁判官は事件と関係があると考える調査結果を判事に送る。Chen氏とその代理人は、提示された調査結果に対して異議を申し立てることができる。その上で判事は、地方検事にどう伝えるかを判断する。この過程は最大で2カ月ほどかかる可能性があると、Wagstaffe次席検事は米CNETに語った。
この事件では今のところ誰も罪に問われていないが、Wagstaffe次席検事によると捜査はまだ続くという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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