台湾で開催されているCOMPUTEXにおいて、Intelは現地時間6月1日、「Atom」に関する一連の発表の中で、同社最小のプロセッサに関する大きな計画を発表した。Intelは、予定よりも早く、同社のネットブックプラットフォームに、さらに高性能なデュアルコアの「Atom」を追加すると述べた。また、予測されていたとおり、タブレットおよび超薄型ネットブック向けに特別に設計された、2011年初頭にリリース予定の次世代Atomプラットフォーム(開発コード名「Oak Trail」)を発表した。
Intelは、エントリレベルのデスクトップPC(かつてはネットトップと呼ばれていたカテゴリ)向けのデュアルコアのAtomを以前から出荷しているが、ネットブック向けにさらに高性能なチップを提供することについてはこれまで躊躇してきた。新しいプロセッサ「Pine Trail」をベースとし、2コアおよび4スレッド構成となるネットブックは、全体的な性能が向上し、720pのビデオ再生をサポートする予定である。Intelのエグゼクティブバイスプレジデントを務めるDadi Perlmutter氏は基調講演で、現行のシングルコアのネットブックとデュアルコアのネットブックでウェブサイトを閲覧する様子を並べてデモした。当然ながら、デュアルコアの方が明らかに速く、グラフィックを多用したページをスムーズにスクロールし、ビデオを問題なく再生した。デュアルコアのAtomモバイルプロセッサは現在製造中であり、それをベースとするネットブックは、クリスマスシーズンに提供される予定である。
Perlmutter氏は、Intelの厚さ約0.5インチ(約1.27cm)のコンセプトネットブック(開発コード名「Canoe Lake」)も披露した。Canoe Lakeは、10インチのディスプレイをベースとし、超薄型設計であるにもかかわらず、シングルコアまたはこれからリリース予定のデュアルコアのAtomを搭載することができる。Intelは、同社の顧客であるコンピュータメーカーは、この設計をベースとしたネットブックを開発中であり、2010年後半に出荷開始予定であると述べた(ただし、外観はIntelのプロトタイプと同じになるとは限らない)。
しかし、2010年のCOMPUTEXにおける大きな話題はタブレットである。IntelのMooly Eden氏は別の記者会見で、Oak Trailを、この新しい分野向けに特別に設計された「特殊なシリコン」であると述べた。低消費電力のAtomプロセッサと低消費電力のハブが搭載される予定である。現行のAtomプラットフォームと比較して、Oak Trailは消費電力が低く(バッテリ寿命が長い)、占有面積が約半分で、1080pのビデオ再生をサポートする。Eden氏は、IntelはMicrosoftと共同で、タブレットにおける「Windows 7」の使用性改善に取り組んでいるが、Oak Trailは、IntelとNokiaが共同開発した「MeeGo」や、Googleの「Android」および「Chrome」の各OS向けにも設計されていると述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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