(編集部注:本記事は「MSの組織再編:バック氏退任以外のニュースは?」の続報です)
Microsoftが先に発表した組織再編では、エンターテインメント&デバイス部門のRobbie Bach氏とJ Allard氏の退任に注目が集まった。その一方で、Microsoftはそれ以外にもひそかに調整を行っている。
今回の組織再編についてはすでに書いたが、ここでは、ここ数週間に発表された残りの変更についてまとめておく。
管理&サービス部門トップのBrad Anderson氏は、「管理&セキュリティ」担当コーポレートバイスプレジデントとなった。Anderson氏の肩書きは、米国時間5月27日まで「管理&サービス」部門のコーポレートバイスプレジデントだった。
Microsoftのウェブサイト上にあるAnderson氏のバイオグラフィーは、まだ変更されていないようだ。Anderson氏は現在も「System Center」「Microsoft Desktop Optimization Pack(MDOP)」「Windows Update」および「Microsoft Update」、Windows ClientとWindows Serverにおける管理インフラコンポーネントなどを担当し、「System Center Online Desktop Manager」(最新名称は「Windows Intune」)をソフトウェア+サービスとして提供することに責任を持つ、とある。では、Anderson氏が統括する「セキュリティ」製品とは何か?(遅れがでている「Forefront」エンタープライズセキュリティ製品のことか?)
アップデート:どうやら、Forefrontの取り組みは少なくとも部分的にAnderson氏の下に入るようだ。Microsoftのサーバ&ツール事業部(STB)のNews Bytesブログが報告している。
Anderson氏のバイオグラフィーにある担当製品リストの一部--特にWindows Update--は、新たにWindowsウェブサービス担当シニアバイスプレジデントとなったAntoine Leblond氏の下に移るのではないか、と筆者は考えている。MicrosoftはLeblond氏の新しい役割について、(現時点では)詳細を明らかにしていない。
Eduardo Rosini氏が新たにミドルウェア担当に。これまでRosini氏はワールドワイドの中小企業向けソリューションとパートナーグループ(SMS&P)のコーポレートバイスプレジデントを務めていた。だが5月27日より、ビジネスプラットフォーム・マーケティンググループのコーポレートバイスプレジデントと肩書きが変わっている。このチームは、「SQL Server、ミドルウェア、情報プラットフォーム向けデータモデリングツールのマーケティングと戦略を推進する」もので、引き続きTed Kummert氏がビジネスプラットフォーム担当シニアバイスプレジデントとなっている。
Rosini氏の後任に、Vahé Torossian氏。新しいSMS&P担当コーポレートバイスプレジデントにはTorossian氏が任命された。入社18年のベテランで、直近では欧州・中東・アフリカ(EMEA)担当バイスプレジデントとして、Microsoftの東・中欧地区を統括していた。
ところで、Microsoft社内で最もめまぐるしく動いているセグメントはSMB市場だ。ここ数年でバイスプレジデントが次々と交代している。SMBはMicrosoftにとって重要な市場だが、入り込むのに苦労しているようだ。MicrosoftはSMBに注力したいくつかの製品を中止するという決断を下したが、状況は改善しないと筆者は見ている。
同じくSMS&Pでシニアバイスプレジデントを務めたことがあるOrland Ayala氏も、肩書きに不可解な変更があったようだ。Ayala氏はシニアバイスプレジデントから地位の下がるコーポレートシニアバイスプレジデントとなったようだが、新興市場担当チェアマンと最高執行責任者(COO)のKevin Turner氏の「チーフアドバイザー」という2つの肩書きが加わっている。
Ayala氏の「チェアマン」という役職名が気になる。Microsoftにおいて、チェアマンという地位がしっくりこないからだ。この役職変更についてMicrosoftの代表者に聞いてみたところ、「特に共有できる情報はない」とのことだった。
Ayala氏のバイオグラフィーから「Unlimited Potential(UP)」部門の文字が消えたことも気になった。調べてみたところ、Microsoftは関係した全ての幹部の役職から、UPを削除しているようだ。
「新興市場」の責任者を務める前、Ayala氏はUPを共同で率いていた。UPは、「技術の恩恵をまだ受けていない50億人に社会的機会、経済的機会を提供することを支援する新しい製品とプログラムを作成することで、デジタルデバイドを縮小する」というプログラムだ。UPのウェブサイトはまだ残っている(そして、5月28日以降も新しいブログ記事が掲載されている)が、事実上UPは数年前から静かに、だが確実に消滅に向かっており、作業は今後、Microsoftの企業市民活動に移されていくのではないか。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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