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ポイント市場、2014年に1兆円へ--Pontaは5年後にTポイントと同規模の可能性

新澤公介(編集部)2010年04月12日 10時00分
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 野村総合研究所(NRI)が4月9日に発表した航空のマイレージを含むポイント市場のまとめによると、2008年度の年間最小発行額は8917億円以上と推計する。

 その後、2009年度に9115億円、2012年度に9540億円と緩やかに拡大を続け、2014年度には9849億円と1兆円規模に達する可能性が高いと予測している。

業界別の年間最小発行額(2008年度)
業界単位:億円
家電量販店(上位10社)2385
クレジットカード(業界全体)2122
携帯電話(上位3社)1736
ガソリン(主要3社)963
航空(上位2社)655
総合スーパー(上位5位)507
百貨店(上位8社)242
コンビニエンスストア(主要4社)195
ドラッグストア(上位5社)77
インターネット通販(ヤフーと楽天)35
伊藤智久 伊藤智久氏

 ポイント市場はこの3年間で大きく動いている。2007年3月に東京メトロらが電車の利用金額に応じてポイントを付与するプログラムを開始。その後、4月にセブン&アイ・ホールディングスが「nanaco」、同じくイオンが「WAON」、6月にはJR東日本が「Suica」にポイントプログラムを導入している。さまざまな企業がポイントプログラムを提供しており、ポイントを使える店舗も増えている。

 NRI金融戦略コンサルティング一部コンサルタントの伊藤智久氏は、「ポイントを共通化することで自社だけでなく周囲を取り込み、一大経済圏を構築してきた」と説明。しかし、実際には「ポイント交換よりも、ポイントの共通化による連携強化を志向しているのではないか」(伊藤氏)と指摘している。

Pontaは台風の目になる--5年後にはTポイントと同等規模に

 拡大するポイント市場でこの3月、大きな動きがあった。共通ポイントプログラム「Ponta」の運用が開始している。Pontaは三菱商事の100%子会社であるロイヤリティマーケティングが発行や運営、管理を担っている。自社商品をポイントの付与対象にしていないポイントプログラムは日本で初めてとなる。

 伊藤氏はPontaを展開するロイヤリティマーケティングについて、「三菱商事のグループ会社という色はあるものの、特定の事業に特化していないという意味では、色合いは薄い」とし、「“色合いの薄さ”が、“相手を選ばない自由さ”という展開になれば、台風の目になる可能性は十分にある」と分析している。

 Pontaは現在、コンビニ大手ローソンのポイントプログラム会員約1000万人、ビデオレンタル大手ゲオの会員約1000万人をベースにしており、2012年までに会員数3000万人を目指している。これは、レンタルビデオ大手「TSUTAYA」のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営するポイントサービス「Tポイント」と同等の規模になるという。

TポイントとPontaの比較
TポイントPonta
会員個人単位個人と世帯
会員数3000万人超3年後に3000万人(目標)
運営事業者加盟店ポイント専業
顧客データベース10年以上の蓄積新設ゆえの柔軟性
コンサルティング機能実績あり未知数
冨田勝己 冨田勝己氏

 NRI金融戦略コンサルティング一部主任コンサルタントの冨田勝己氏は、PontaとTポイントについて、「Pontaが加盟店数と会員規模を順調に拡大させると、5年後にはTポイントと互角の数字になる」と予測する。この時、「両社の将来を左右するのは、(ポイントプログラムによる)送客効果だけではない」(冨田氏)と指摘する。

 冨田氏はポイントプログラムを導入するメリットとして、(1)自社の顧客が囲い込める、(2)会員制度の仕組み、上級会員向けに特典を付与することで顧客の優良化を図れる、(3)入会特典などにより新規顧客を獲得できる、(4)提携企業と相互に送客できる――という4点を挙げる。「どの効果を優先するのか、そのために何を提供するのかが重要になる」(冨田氏)と説明する。

 これらを踏まえてPontaとTカードに求められるのは、自社の顧客データベースとコンサルティング機能を活用した加盟店への支援だという。社内に十分なリソースがない加盟店に対して、マーケティング活動や商品開発、運用アドバイスといった多面的な支援を可能にする仕組み作りが必要になると提言している。

 冨田氏は、「ポイントプログラムは、いち販促ツールである」と強調する。加盟店がポイントプログラムを導入する際、経営戦略や事業戦略、ビジネスモデルといった上位概念との連携がなければ、コストアップにもなりかねないとしている。なぜポイントプログラムを導入するのかを明らかにする必要がある。

 またポイントプログラムの展開次第では、会員を個人ではなく世帯としてとらえることで、的確なプロモーション活動が可能になるという。これまで家族の一員が持っているカードで買い物をした場合、ほかの家族の購買行動は記録されなかった。家族でカードをまとめれば世帯の購買行動が可視化され、ライフログのような新たなマーケティングデータが提供できるようになるとしている。

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