プロダクトキーカードには、従来のパッケージ製品と微妙に異なる点が、ほかにもいくつかある。1つは、スーパーマーケットのギフトカードのように、プロダクトキーカードもアクティベートされるまでは単なるプラスチックや厚紙にすぎないということだ。つまり、販売店は大量のソフトウェア製品の代金を前払いする必要がない。
「われわれは在庫が不要なモデルへ移行しようとしている」とElop氏は言う。
しかし、小売業者の在庫コスト削減は1つの側面にすぎない。
プロダクトカードへの移行によって、店内でOfficeを販売できる場所が増える。
「在庫製品や実質的な価値があるパッケージ製品の場合、その製品のセキュリティに関する懸念が常につきまとう」(Elop氏)
対照的に、プロダクトキーカードは人々がOfficeを買おうと思うような場所(あるいは店員の勧誘によって、買おうという気になりそうな場所)のすべてに陳列することができる。例えば、ソフトウェア売り場やPCの近く、そして最も重要なレジのそばなどだ。
Microsoftは完全版Officeの販売手段として、Office Web Appsも利用する計画だ。Elop氏によれば、ブラウザベースのOffice Web Apps内に、Officeのデスクトップ版で文書を開くための目立つボタンが配置されるという。ボタンをクリックすると、最新版のOfficeをインストール済みのユーザーは、その文書をすぐに閲覧できる。その一方で、Microsoftは旧版のOfficeをインストールしているユーザーや、Officeをインストールしていないユーザーに対しては、この機会を利用して、Office 2010を購入することの利点を売り込みたい考えだ。
ここで課題となるのは、有料製品をユーザーに売りたいがために、Microsoftがユーザー体験を台無しにしてしまわないように注意することだとElop氏は話す。
「ユーザー体験品質の絶対的な重要性と、アップセルの機会も得たいという欲求の間で、うまくバランスをとる必要がある。本当の意味でのユーザー体験の持続に大きな力を注ぐつもりだ。以前、他社が有料版の売り込みに積極的になりすぎた状況を見てきたからだ」(Elop氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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