「iPad」アプリデベロッパーの挑戦--「iPhone」向けアプリとの違いとは - (page 2)

文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年03月23日 07時30分

 Groves氏もこの問題に取り組んでいる。同氏のアプリの1つであるTap Boxというゲームでは、さまざまな色のブロックが変化するパターンを描きながらスクリーン上を飛び回っていて、プレーヤーはこのブロックをタップする。スクリーンから消えていこうとする不要なブロックをすべてタップすると、先に進める。

 「興味深いのは、スクリーンサイズがずっと大きくなると、このゲームはとても簡単になってしまうことだ。大きなスクリーンでターゲットが大きくなれば、難易度を(一定に)維持している限り、魅力が薄れてしまうだろう」(Groves氏)

 Groves氏にしてみれば、AppleがiPadのスクリーンに用意する「2x」ボタンをユーザーにクリックさせるだけでは、自分のアプリが台無しになってしまう可能性が高い。面白くなければ、誰が買うだろうか。つまりGroves氏は、自分のアプリをiPadで楽しめるものにするために、それを基本的にゼロから作り直す必要がある。Groves氏は自分のゲームをもっと難しくする方法を見つけ出さなければならない。

 Daigle氏は、Griffinで特に音声録音アプリ「iTalk」の開発に取り組んでおり、このアプリ(アプリ全体がおよそ7つの要素からなる)のような非常にシンプルなアプリも、単に拡大するだけでは恩恵を受けることはないと述べている。ボタンをiPhoneのものより3倍大きくすると、間が抜けて見えるかもしれない。同社にとって、余分なスペースを埋める方法を見つけることが、克服すべき最も重要なハードルになっている。つまり、どの要素をどのくらいの大きさでスクリーンに表示し、ユーザーがそれぞれの要素とどのようにやりとりするのかを考え直すということだ。この記事が読まれている間にも、同社はこれらのすべての点に取り組んでいる。

 もちろん、iPad発表の際に披露されたアプリのように、大きなスクリーンに見事に変換されるアプリも多いだろう。Gameloftの「N.O.V.A.」のような、リッチなグラフィックのインタラクティブゲームは、書き換えと拡大を行うだけで改良することができる。またMLB.comのアプリ「At Bat」には、データ好きの野球ファンのために、より多くの情報を表示できるようになるというメリットがある。AppleがiPadのデモのために選んだアプリについて言えば、その選択はどう見ても偶然ではない。そうしたアプリはAppleの新しいプラットフォームを魅力的に見せるものだ。

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