ウェブ解析「SiteCatalyst」などのオンラインマーケティングサービスを提供するOmnitureが3月3〜5日まで、米国ソルトレイクシティで大規模イベント「Omniture Summit 2010」を開催した。
このイベントはOmnitureが年に一度開催するユーザーカンファレンスで、毎回多くのマーケッターやコンサルタントが参加する。今回はOmnitureがAdobe Systemsに買収されてから初めてのサミットとあって、Adobeのエグゼクティブたちも勢揃い。Omnitureの創業者やAdobeのCEO、FacebookのVPらが共演した豪華な基調講演のほか、John Battelle氏やSeth Godin氏などのオピニオンリーダーによる特別講演、そして60近くの実践的なセッションが開かれた。
そのなかで一際会場を飛び交ったキーワードはおそらく「ソーシャル」と「カンバセーション」。もはや「Omniture=SiteCatalyst=ページビュー計測」というイメージはなく、Adobeとともにクリエイティブ作成から分析、最適化までを提供し、ユーザーと企業をつなぐ新たなマーケティング施策を支援していく姿勢を打ち出していた。
Omnitureの指し示す方向性は、創業者のJosh James氏が講演で使用したスライドによく表れている。これは最高マーケティング責任者(Chief Marketing Officer:CMO)として成功するにはどうあるべきかを説いたものだが、“脱リード”“脱ページビュー”“脱クリックスルー”“脱インプレッション”など、これまで一般的に使われてきたいくつかの指標が時代遅れとされている。
さて、代わりに連呼されていたキーワード、たとえばソーシャルやカンバセーションについて、OmnitureとAdobeはイベント中にどんな取り組みをしてきたか。いくつか印象に残った点を振り返ってみる。
最近は日本でもIT、インターネット分野のイベントではTwitterの公式アカウントを設置して情報発信したり、ハッシュタグで情報共有したりするのが当たり前になってきた。Omniture Summit 2010では公式アカウント「@omtrsummit」とハッシュタグ「#omtrsummit」を用意。多くの参加者が現在進行中のセッションについて意見や感想を共有していた。
これはAdobeとOmnitureならではの試みだった。Adobe AIRベースの専用アプリケーション「Summit Companion」を配布し、参加者が簡単にイベント情報にアクセスできるようにしていた。軽い操作性ながらウェブより優れたインターフェースで、セッションのスケジュールや会場地図を調べたり、Twitterクライアントとして利用できたりする。このアプリケーションからTwitterに投稿する際はハッシュタグが最初から埋め込まれているので大変便利だった。
1日限りのイベントなら不要かもしれないが、複数会場で数日にわたる大規模イベントではこのような専用アプリケーションが用意されているとありがたい。
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