Googleは米国時間3月3日、同社のエネルギーモニタリング用ウェブアプリケーション「Google PowerMeter」のAPIをリリースした。これによって、スマートメーターを使わなくても、家庭の詳細なエネルギーデータを取得できるようになるかもしれない。
PowerMeterは消費電力削減のヒントを提供することを目的に、電力使用をリアルタイムで表すグラフや過去のデータをユーザーに提示する。
これまでのところ、Googleは電力会社数社と提携している。提携先の電力会社はスマートメーター関連サービスの一部としてPowerMeterを提供している。「The Energy Detective(TED)」モニターを製造している、あるデバイスメーカーは、PowerMeterで電力データを表示するオプションを提供している。
PowerMeterのAPIを部外者に公開することで、Googleはデバイスメーカーやソフトウェア開発者がエネルギー情報を消費者に提示するアプリケーションを構築してくれることを期待している、とプログラムマネージャーのSrikanth Rajagopalan氏は「Google code blog」に書き、さらに、このAPIはプライバシーガイドラインに準拠し、消費者が自分の情報にアクセスする手段を提供している、と付け加えた。
Googleがスマートメーターのメーカーとの連携を開始したのは、そうした双方向メーターを使って、家庭内の消費電力を詳細に追跡することができるからだ。例えば、PowerMeterの初期ベータテスターの1人は、プールのポンプが電気代の多くを占めていることに気づき、電気代を節約するためにポンプの使用頻度を減らした。
ホームモニタリング用のデバイスやディスプレイを開発している企業はたくさんあり、詳細な電力データを収集するのに様々な方法が採用されている。例えば、TEDやPowerhouse Dynamicsの「eMonitor」デバイスでは、電気技師が回路基板内のケーブルにクランプを取り付けて、各回路に流れる電流を監視できるようにする。メーター読み取りの自動化に利用される無線プロトコルを使用し、ゲートウェイでメーターのデータを入手することを提案しているデバイスメーカーもある。
Googleの目的はサードパーティーの開発者にPowerMeterへ接続するよう勧めることだが、それにあまり大きな関心を抱かないデバイスメーカーが出てくる可能性もある。なぜなら、PowerMeterは現時点では無料だからだ。エネルギーモニタリングを手がける企業の一部は、プロプライエタリなソフトウェアを開発しており、その中には、ウェブからの詳細な電力情報入手に対して月額利用料の請求を計画している企業もある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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