UPDATE カリフォルニア州クパティーノ発--Appleが米国時間2月25日に開催した年次株主総会では、取締役として出席している世界で最も著名な環境問題専門家の1人が午前の議論で焦点となった。
予想通り、Appleの潤沢な資金の扱いに次いで環境および持続可能性の問題に対する同社の姿勢が、25日に出席した株主の主要な関心事の1つだった。しかし全体の雰囲気は、元米国副大統領Al Gore氏に関して初めに飛び出した厳しいコメントに影響されがちだった。
Apple社内のTown Hallで、Gore氏はほかの6人の取締役とともに最前列に座っていた。気候変動に関する同氏のよく知られた見解に対し、株主からの批判や賞賛が相次いだ。
総会が始まって数分後に訪れた、株主が意見を述べられる最初の機会に、Appleの長年の株主として知られ、中にはうるさく思う向きもあるSheldonと名乗る人物がマイクの前に立ち、Gore氏の取締役再任に反対意見を述べた。地球温暖化に関するGore氏の見解について、「笑いぐさになっている。氷河は溶けていない」とSheldon氏は批判し、「Appleに対する助言も環境についての見解と同様に的外れなものなら、Gore氏を再任する必要はない」と述べた。
すぐさま別の株主がGore氏擁護に立ち上がり、Apple取締役としての同氏の立場を支持した。環境問題の議論はさらに続いた。Appleが環境に及ぼす影響について2つの議題が株主から提案された。1つは非営利団体As You Sowからの提案で、2009年に続いて温室効果ガス削減の数値目標を定め、持続可能性に関する正式な報告書を発表することをAppleに求めた。2つめはHerrington Investmentsからで、報酬や人事に関する委員会と同じように、Appleの取締役会が持続可能性についても委員会を設置するという提案だった。
As You Sowの代表Conrad MacKerron氏はGore氏を賞賛したが、Appleに公共の問題での具体的な取り組みを促す努力に欠けるとも批判した。Herrington InvestmentのシニアポートフォリオマネージャーであるForest Hill氏も、コメントの一部を直接Gore氏に向け、Appleが環境に与える影響について取締役会に責任を持たせることが、「Appleを企業のリーダーにする」ことにつながる、と述べた。
Gore氏も、取締役会のほかのメンバーも、株主の提案に直接答えることはなかった。どちらの提案も最終的には株主によって否決された。
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