Gore氏については意見の対立が見られたが、同氏は予備集計で残りの候補とともに再任された。従業員持株プラン、取締役のストックオプション、役員報酬に関する助言的賛否表明、会計事務所にErnst & Youngを選定、といった変更に関する提案はすべて承認され、株主総会の公式議事は完了した。
続いて最高経営責任者(CEO)のSteve Jobs氏、最高執行責任者(COO)のTim Cook氏、最高財務責任者の(CFO)のPeter Oppenheimer氏らが答える質疑応答が行われ、事実上どんなことでも意見を述べられる機会が株主に与えられた。環境問題以外では、Appleが遊ばせている現金をどう使うつもりかという点に多くの関心が集まった。Appleは前四半期に、およそ400億ドルを蓄えていると報告している。電気自動車を製造するTesla Motorsに投資する可能性はあるか、と株主の1人が質問した。Jobs氏はそれに対し、このお金で「トーガパーティ」(仮装パーティの一種)を計画しているところだと答えた。
これは明らかに冗談だったが、さらなる会社買収、現金配当、ビデオゲーム開発会社の設立といった複数の株主からの提案に対して、Jobs氏は明確に反対意見を述べた。
Jobs氏は、現金を保有するという点で保守的な同社の姿勢について、時間をかけて説明した。
「現金は会社に大きな安心と柔軟性を与えてくれる。リスクをとるときは、空中に飛び出すときと同じようなもので、着地するときに地面があることがわかっているのが好ましい」と、Jobs氏は語った。「財務的な観点からすると保守的な会社運営をしている。角を曲がった先にどんなチャンスがあるかわからないからだ。何かを買い取る必要が生じたとき、借金せずに小切手を切れるのはとても幸運なことだ」
またJobs氏は、配当として株主が手にする金額を増やす案も退けた。なぜなら、201.60ドルという同社の現在の株価はどちらにしても影響を受けないと思うからだ、と同氏は説明し、「現在の株価で400億ドルの現金がある会社と、株価は同じでも現金がない会社なら、どちらがいい?」と、ある株主に尋ねた。
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