「iPad」のマーケティング戦略を考える--アップルファン以外にも訴求するには - (page 4)

文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年02月22日 07時30分

 そして、こうした戦術に聞き覚えがあるとしたら、それはAppleがiPhoneで同じことをしたからだ。当時の専門家は、携帯電話に499ドルも払う人などいないと確信していた。

 Kalb氏は「iPhoneが単なる電話機なら、人々はそれほどのお金を払わなかっただろう。iPhoneは単なる電話機ではない。カメラであり、音楽プレーヤーでもある」と言う。また、ウェブブラウザでもある。しかし、Appleはそれに加えて、それらの機能の組み合わせを実現するのに、携帯電話とiPod、ノートブックを常に持ち歩くよりも、iPhoneを購入した方がはるかに便利だという考え方も売り物にした。

 では、Appleが最初に狙うのは、どのタイプのユーザーだろうか。Kalb氏によると、Appleはまず信者に説き勧めるだろうという。「Appleのマーケティングは、手の届く位置にある果物、すなわちすでにApple教を信じている人々に注力する傾向がある。Appleは、最初にそうした人々に製品を購入してもらってから、口コミで売る」(Kalb氏)

 しかし、長期的に見てより重要なユーザーは、まだiPodやiPhone、Kindleを所有しておらず、ノートPC以外のデバイスで動画を見たり電子書籍を読んだりすることが目新しく便利に感じるユーザーだろう。新たな製品分野の確立ということになれば、このことは特に重要だ。そして、Glazer氏によると、Appleがこの新しいタッチスクリーン式ウェブタブレット市場の最初の企業だということはほぼ間違いないので、他社が必然的に後をついてくる前に、同社製の新しいタイプのデバイスに対する忠誠心を生み出す必要があるという。「競合他社が製品を発表するまでに、Appleにどれだけの好機が訪れるだろうか」(Glazer氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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