その点について言えば、Appleは、iPhoneアプリケーションをiPadアプリケーションへスケールアップするのは比較的簡単だと思わせることで、Apple自身や開発者にとって役立つことをしてきた。実際にどのくらい簡単なのか、あるいは簡単でないのかは、もっと多くの人々がiPadのSDKを試してみるまで分からない。
しかしAppleが、多くの書籍や雑誌の出版社、新聞社、ビデオゲーム制作者、教科書会社を参加させることができればできるほど、iPadはメディアのワンストップショップとして魅力的になるだろう。
マイクロコンピュータ企業の元最高経営責任者(CEO)で、ハイテク分野のマーケティング経験が豊富なIra Kalb氏によると、Appleにとって成功の見込みが最も大きい方法は、iPadを人々がすでに慣れ親しんでいるものと比較し、同時にその体験を改善すると約束することだという。「Appleが言うであろうことは、基本的に『Kindleを買ってもよいが、そうすると白黒の電子書籍端末を買うことになる。われわれはもっと多くを提供できる』といったことだと思う」(Kalb氏)
結局のところ、大きな変化を避けることに行き着く。特に新しい分野では、デバイスを人々がすでに知っているものと比較する方が簡単だ。そうしなければ、人々は、慣れが必要な製品を敬遠する傾向がある。したがって、Glazer氏によれば、製品を「革命的」と表現することは、必ずしもほかの製品から乗り換えてもらうための最良の方法ではないという。
「それは、真に革命的なものに対しては、諸刃の剣だ。製品がわたしの生活様式を変えることを意味する。ほとんどの人は、自分の生活様式を一夜にして変えたいとは思っていない」(Glazer氏)
したがって、親しみやすさを強調するべきだ。つまり、電子書籍端末のサイズであるということを強調する。電子書籍端末は、ほとんどの人が、まだ所有していないとしても、この2年間で何度も目にし、耳にしてきた。しかしAppleは、iPadがそれよりはるかに多くのことができるという考えを押し出すべきだろう。iPadにはカラースクリーンがあり、「iTunes」やApp Storeへアクセスでき、ウェブへアクセスでき、望むなら3Gインターネット接続もできる。便利な電子書籍端末を購入しようとしている人にとって、これらの機能はすべて大きなボーナスだ。
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