Googleは、ウェブをより強力なアプリケーション基盤にするために同社の「Google Chrome」ブラウザへ組み込もうとしているテクノロジについて、少なくとも4件の特許を申請した。
3件の特許申請はGoogleの「Native Client」に関連するものだ。このテクノロジは、ダウンロードしたソフトウェアモジュールが、広く使用されているJavaScriptのようにその都度デコードされて比較的低速で動作するのではなく、プロセッサ上で直接動作できるようにする。そして、もう1件の特許申請は、ブラウザアプリケーションがグラフィックスハードウェアの3Dアクセラレーションを利用できるようにする「O3D」テクノロジに関するものだ。
特許にはさまざまな効用がある。例えば、特許期限が切れるまで、競合他社を新しい技術から遠ざけるために使うことができる。また、他社が利用できるようにライセンス供与したり、互いの特許を利用できるようにする特許クロスライセンス契約の交渉を有利に進める切り札として使用したりすることができる。特許を防衛目的で持っておき、他社から訴えられた場合に特許侵害の反訴で利用できるようにしておくこともできる。保有する特許に関連する業界標準が策定される際には、その特許を利用して有利な条件を引き出すことができる。そしてもちろん、企業が革新の水準を自慢することがあれば、特許を支えに大見得を切ることができる。
これまでのところ、Googleが訴訟好きな企業であるかどうかは示されていないが、コンピューティング業界における同社の存在は、かつてないほど大きくなっている。Googleが新たに申請した特許は、クラウドコンピューティングをより強力なアプリケーション基盤とするためのウェブブラウザおよび関連テクノロジの開発という、とりわけ進歩の早い分野に関するものだ。
最終的に、Googleはそうしたテクノロジを標準化し、すべてのブラウザが利用できるようになることを望んでいるが、標準を待っているわけではない。
Chromeブラウザおよび「Google Chrome OS」担当エンジニアリングディレクターであるLinus Upson氏は、2009年12月のインタビューで次のように述べている。「これまでのところ、Native Clientは、いかなる標準化プロセスとも関係がない。これをどう前進させるかについて、ほかのブラウザベンダーと協議している。これらすべてが標準化されればよいと思う。最終的には、これは標準であると書かれた一枚の紙切れがないという理由だけで、われわれが何かのリリースを拒むことはないと考えてほしい」
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