Robertson氏が20日、筆者に対して語ったところでは、デジタル音楽に関わっている多くの人が、クラウドコンピューティングに関してAppleは弱いと考えているという。コンテンツのストリーミングは、デジタルエンターテインメントにおける次の波であると多くの人に考えられているが、Appleはこの分野であまり目立ってこなかった。ここ2年間、消費者は音楽ストリーミングを好んでいることを示している。10年間続くストリーミングラジオサービスであるPandoraは先々週、初めて四半期の収支が黒字になったと発表した。
Robertson氏は、iTunesの将来のアップデートで「アップロード」ボタンが現れることを予想していると述べた。
それでも、Robertson氏は、iTunesのストリーミング計画は音楽業界にとって問題となるかもしれないと論じる。Appleが、合法的に購入された楽曲を所有者に対してストリーミングするのに、利用料を支払ったり、あるいはそもそも新しくライセンスを得たりする必要があるとは考えていない可能性があると、Robertson氏は語った。同氏によれば、世界最大の音楽小売業者であるAppleには、許可を求めることなくこのサービスを開始できるだけの腕力があるという。
Robertson氏は筆者とのインタビューで次のように述べた。「わたしはこの件についてレーベル会社のある人物と話したことがある。その人物によれば、レーベル各社はあまり快く思っていないが、Appleがレーベルの意向に構わずこれを押し通そうとはしないということを、レーベルは確信できずにいる。Appleが『われわれは20億曲の楽曲を販売しており、これはわれわれがやろうとしていることだ』と言うこともありうる」
iTunesに、合法的に購入された音楽のストリーミングにライセンスが必要となるかどうかについては、Robertson氏には多少の経験がある。同氏は、自身が立ち上げた音楽ストリーミングサービスMP3tunesに対して、EMIが2年前に起こした著作権訴訟を争っている。EMIは、同社の音楽をそのように利用する権利をMP3tunesは持っていないと主張している。Robertson氏は、誰かが合法的に購入した楽曲を保管しストリーミングすることにはなんら違法性はないと反論している。この訴訟は、2010年中には何らかの結論に至る見込みだ。
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