映画「アバター」に期待を寄せる各業界--3D映像普及の起爆剤としての可能性 - (page 2)

文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年12月24日 07時30分

 ここ数年、3D映画作品の公開が増えているが、それらは主に子供市場をターゲットにしたアニメ映画だ。大人向け3D映画に思い切って投資しようという映画会社は、これまでほとんどなかった。しかし、「コララインとボタンの魔女」「カールじいさんの空飛ぶ家」「ボルト」といった最近の作品の興行成績は、有望な前途を示している。2008年に公開された映画の3%が3Dで撮影された作品だったが、それらが興行収入全体に占める割合は10%だった。「アバター」がヒットすれば、ハリウッド関係者の多くは、さらに良い成績を期待するだろう。2010年には24本の映画が3Dで公開される予定で、2011年には50作品以上が計画されている。

 「アバター」の興行成績が良ければ、映画会社の幹部陣は、より多くの3D映画制作を承認するだろう。それによって、撮影と録画、再生に関する3D規格策定に対するサポートが拡大し、3D対応のテレビやビデオプレーヤーの販売も増加するだろう。そうなれば、Dolbyやソニー、パナソニックといった企業は大いに満足するはずだ。家電業界関係者の多くは、これこそが、3Dを劇場から家庭へもたらすものだと考えている。

 Evergreen FilmsのAndy Gellis氏は先週、「ここで牽引役となるのは、アニメーションだけではない」と述べ、次のように尋ねた。「『モンスターVSエイリアン』や『カールじいさんの空飛ぶ家』を観るために、本当に(新しいテレビを)購入しようとするだろうか。そのためにお店に出かけ、(ホームシアター)システム全体を買い替えようとするだろうか」

 業界関係者の多くは、3Dは「新しいHD」であるとよく言う。例えば次のようなことだ。HDは今や北米の家庭でかなり一般的になっており、推計では35%がHD機器を所有している。それならば、テレビメーカーにとって、さらに多くの製品を売るのに役立つ、より大規模で、より良く、より速い新テクノロジは何だろうか。現在のところ、それは3Dだ。3Dで劇場公開される人気映画作品が増えれば増えるほど、それらの作品を自宅でもう一度観たいと思う人が増え、そのために3D対応テレビを必要とするようになるだろう。

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