映画「アバター」に期待を寄せる各業界--3D映像普及の起爆剤としての可能性 - (page 3)

文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年12月24日 07時30分

 ソニーやパナソニック、日本ビクターなどは、そうした製品を販売すると述べている。しかし、3Dコンテンツを表示できる製品が2010年に店頭に並び始めたとして、多くの人がおそらく最近HDTVにアップグレードしたばかりという状況で、真新しいテレビを急いで購入するよう人々に求めることは、明らかに過大な要求だろう。だが、HDが数年かけて普及したように、いずれ3Dも普及するだろう。Gellis氏は、それには確かに時間がかかるだろうが、だからといって、真っ先に3Dテレビを手に入れたいと思う人が出てこないわけではないという。

 「どのようなテクノロジであれ、それを購入する余裕のあるアーリーアダプターがいる。そして、人々を熱狂させる番組があれば、人々はそれを入手しなくてはいられないようになる」(Gellis氏)

 たとえそれが眼鏡をかけることを意味しているとしてもだ、と同氏は述べる。暗い劇場でプラスチックの眼鏡をかけることが3D体験の一部であることを多くの人は理解しているが、その眼鏡をかけてリビングルームのソファに腰掛けることは奇妙な提案だと考える消費者もいるという懸念が、少なくとも今のところは存在する。

 Dreamworks AnimationのJeffrey Katzenberg氏は、ハリウッドにおける3Dの主要なエバンジェリストの1人だ。実際のところ「あと数年」で眼鏡をかける必要すらなくなるだろうという同氏の予測が、よく知られているように2009年になって引用された。同氏は先に進みすぎているのかもしれない。CEATEC JAPANではオートステレオスコピックディスプレイの小型版がいくつか見られたが、このテクノロジが50インチのテレビに応用されるのは、おそらく同氏が思っているよりもずっと先のことだろう。DolbyのGriffiths氏は「家庭での視聴環境について言えば、しばらく時間がかかるだろう」と述べる。

 Dolbyと競合するRealDのエグゼクティブバイスプレジデントであるSteve Shannon氏も同じ考えだ。Shannon氏は、映画製作の未来としての3DについてKatzenberg氏のビジョンに大筋で同意しているが、「その時間枠は、少し意欲的過ぎる」と述べている。

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