Intelは賢明なことに、確立されたアイデアをより速く効率的に動くようにすることに、集中的に取り組んできた。SCCは、並外れて順応性の高い電力管理機能を備えており、その機能は、主にアーキテクチャの調査を目的とした設計では、かなり場違いに思える。それは、ジェット戦闘機の試作機を作って、ナビゲーター用に機内HDエンターテインメントシステムを付け加えるようなものだ。しかしこれにはもっともな理由がある。Intelは、すでに「Nehalem」製品からこのテクノロジを使用しており、これが将来のすべての製品の一部になるはずだということを知っている。それはまた、Intelがこのチップを標準的なマザーボードのフォーマットに載せ、標準的な筐体の標準的な電力装置で稼働させることができるということでもある。そうすると、SCCを無料で提供して、研究者にそれを試すよう勧めるということは、はるかに現実的な意味を帯びてくる。
同様に、メッセージパッシングコア設計は、非常に高速で作動し、レイテンシも非常に短いはずだ。プログラマーから見れば「ただ動くだけ」という属性だが、半導体の頭脳を多く必要とする。なお、Intelはここで多少のごまかしをしている。コアのすべてがアクセスでき帯域外メッセージの同期に使用される、ごく小さな容量の共有メモリを追加した。これは、キャッシュコヒーレンシと比較してアーキテクチャがオフチップで効率良く機能するというメッセージパッシングの主な利点の1つに反しかねない。しかし、これこそが実験的設計の核心であり、こうした種類の高速化手法が現実にどの程度うまく機能するかということが、非常に興味深い結果の1つになるだろう。
間違いなく、SCCにはほかにも知るべき興味深いことがたくさんある。Intelは、詳細の多くを、2010年2月に発表予定の技術論文に取っておいている。とはいえ、米国時間12月2日の発表イベントでは、設計者らが、そのコアが持つ優れた設定可能性について、興味をかき立てるように語っていた。
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