キングジムは11月25日、デジタルメモ「ポメラ」に大画面液晶やQRコード機能などを搭載した「DM20」を12月11日より発売すると発表した。価格は3万4650円。
DM20は、文章を書く機会が多い人をターゲットにしたヘビーユースに対応するプレミアムモデルと位置付ける。従来モデルの「DM10」はスタンダードモデルとして併売される。
液晶画面は従来の4インチから5インチへと大型化した。最大入力文字数を8000字から2万8000字へと大幅に増やし、1000ファイルまで保存できるようになった。約30種類の「ATOKオプション辞書」を搭載し、辞書登録機能の強化や定型文登録機能、自動改行の設定もできる。さらに、capsキーとctrlキーを入れ替える「キーバインド設定」や最大5階層までの「フォルダ管理機能」、編集中のテキストをQRコードに変換(3200文字まで)し、携帯電話でテキストを読み取る機能も搭載した。
本体は皮革のようなパネルデザインを採用し、オプションの「着せ替えパネル」(3150円)で変更できるようにした。サイズは大きくは変わらないが、厚みが3mm増して高さ33mm×幅145mm×奥行き100mmとなった。重さは従来と同じ約370g(乾電池別)。
約2秒で起動、文庫本サイズの小型軽量、単4型乾電池で20時間駆動(エネループ使用時は15時間)という軽快さを重視した基本コンセプトはそのままに、テキスト編集機能をパワーアップさせたものになっている。
ポメラ(DM10)は、テキスト入力に特化した“デジタルメモ”というコンセプトのもと、2008年11月に発売された。文庫本サイズの本体に、17mmキーピッチの折りたたみ式キーボードを搭載し、電源を入れてから約2秒で起動するシンプルな設計が話題を呼び、発表時の販売目標を3倍上回る9万台を突破(11月20日時点)したヒット商品となった。
開発者である開発本部 電子文具開発部の立石幸士氏は発売当時を振り返り、「ビジネスマンが会議録や移動中に文書を作ることを想定していたため、これで十分と考えていた。しかし、実際には記者やライター、ブロガーなど文書作成を重視する声が多かった」とDM20を開発した経緯を語った。
DM20を作るにあたっては、Bluetoothの搭載や、キャリアと提携してSIMカードを搭載することなども考えたという。しかし、「SIMを搭載すると新たな料金が必要になる。また、Bluetoothを搭載することで20時間の駆動時間を短くしたくなかった。携帯電話なら皆持っている」(立石氏)とし、QRコードを通じてテキストを携帯電話に読み込ませることで携帯電話との連携を解決したと明かした。
DM20の初年度販売目標数量は5万台。キングジムでは、ポメラをもっと幅広い層に使ってもらいたいとし、女性向けや他の自社製品との連携などを視野に入れてさらにラインアップを拡充したい考えだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」