キングジムは5月12日、テキストの文字入力に特化したデジタルメモ端末「ポメラ(pomera)」のリミテッドカラー3種類を数量限定で発売すると発表した。
リミテッドカラーは「パッションレッド」「ターコイズブルー」「レーシングシルバー」の3色だ。各2000台の限定カラーとなる。発売日は5月18日で、メーカー小売希望価格は2万7300円。天板カラー以外に従来製品との違いはない。
ポメラのユーザーは男性が9割で、年齢層は30代〜50代が7割を占める。年齢層を考え、全体的に落ち着いた色味をラインアップしたという。30色以上の候補の中から「ユーザーから要望が多かった赤系とブルー系、デザイナーのチャレンジでメタリック系をそろえた」(開発本部 電子文具開発部の立石幸士氏)としている。
また、蛍光灯などの映り込みを低減するポメラ専用の液晶画面保護フィルムとクリーニングクロスをセットにした「ポメラ専用保護キット」も発売される。発売日は5月15日で、メーカー小売希望価格は1575円だ。
このほかにもポメラ専用ケースとして、「ブラック」「ターコイスブルー」「ピンク」の3色がそろった専用ソフトケース「DMC2」(2940円)とクロコダイル調でUSBケーブルやmicroSDなどの関連製品を収納できるインナーポケットが付いたセミハードケース「DMC3」(3990円)も登場した。DMC3のカラーは「ホワイト」と「ブラック」の2色。
キングジム 代表取締役社長の宮本彰氏は「広告宣伝を一切していないにもかかわらず、予想を上回る人気になった」と笑顔を見せる。宮本氏は新商品を開発する場合のポイントは2つあると語る。
1つは“打率は1割でいいからホームランを狙え”をモットーにすることだという。「新しい市場を作るような画期的な商品を『市場開発型』と呼んでいる。新市場を開拓する商品であればしばらくの間は独走できるし、失敗してもまた財産。損害を被るけれども、当たった時にはその損害をカバーしておつりがくるだろう」(宮本氏)。
もう1つは意思決定の場で“熱烈な賛成が10人に1人いればGO”することだという。皆がなんとなくいいんじゃない、と言うものは売れないと話す。「たとえ9人が反対しても、1人が待ちに待っていたと熱烈に賛成すればよしとする。人には優先順位があるからだ。買いたいものリストの後ろにあるものは、欲しいけれども手が届かないもの。欲しいと買いたいは違う。絶賛するぐらい気に入ってもらわないと、買ってもらえない時代」と言う。
常務取締役で開発本部長の横田英人氏は、「折りたたみ式のキーボード、モノクロディスプレイ、ATOKと成熟した技術を用いたのはキングジムのスタイル。先端技術も魅力的だが、コストがかかる。成熟技術を応用することで、コストも削減できる」とポメラの開発ポイントを明かした。
今後の製品について、2秒で起動するなど手軽さを特徴とする「デジタルメモ」としての現在の基本コンセプトは維持しつつも、「小型化」「ファッショナブル」「低価格化」「高機能化」と4つの方向性を示した。この方向性を考えると「1機種だけにはならない」(立石氏)とし、複数のラインアップとなる見通しを明らかにした。
2008年11月の販売からわずか半年で初年度の目標としていた3万台を超えたというポメラ。発売直後から大きな反響を得て、品薄の状態が続いていた。2009年3月に品薄を解消したことでさらに売り上げ台数は伸び、初年度の目標台数を10万台に上方修正した。今後はテレビCMを展開するなど認知を拡大させ、さらなる市場の開拓を狙う方針だ。
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