モバイルコンテンツビジネスに焦点を当てたカンファレンス「MCFモバイルコンファレンス2009(mobidec2009)」が11月25日、東京都内の目黒雅叙園で開催された。基調講演にはNTTドコモ コンシューマサービス部 コンテンツ担当部長の原田由佳氏が登場。NTTドコモのiモードにおけるコンテンツビジネスの現状を紹介した。
NTTドコモの契約者数は10月末時点で5524万人、うちiモードユーザーは4876万人。パケット定額制加入者は9月末時点で2152万人となっている。原田氏によると、パケット定額制の加入割合は10代で9割、20代で8割に達しており、30代でも6割にのぼるという。ただ、世代があがるごとに加入割合は下がる傾向にある。40代の加入者は月を追うごとに増えているというが、「30〜40代はモバイルコンテンツを利用するハードルが高いわけでもないと考えると、まだ加入者が伸びる余地は十分にある」とし、これらの層をひきつけるコンテンツの存在が重要になるとの見方を示した。
iモード向けのコンテンツポータルサイトであるiメニューのアクセス数は、5月以降に発売された新機種で、iモードボタンを押すとそのままiメニュートップページにアクセスするように変更したところ、大きく伸びたという。現在では毎日平均80万PV伸びており、1日あたり2000万PVに達しているとのこと。
検索の利用は引き続き伸びており、「ゲームやコミック、着メロ、ショッピングなど、専門検索のジャンルを増やすごとにアクセスが増えている」と原田氏は話す。1日あたりの検索利用数は1年前の約2倍、2年前の約4倍になっているとのこと。調べたいことはiメニューで検索する、という導線はユーザー内で定着しつつあるようだ。
iメニュートップのコーナー別に見ると、おすすめコンテンツなどを紹介する「週刊iガイド」やゲームのアクセスが増えている。逆にミュージックや動画といったジャンルは一時期ほどの伸びはなく「落ち着き気味」とした。
コンテンツのジャンルは、「天気/ニュース/ビジネス」のユニークユーザー数の伸びが顕著であるという。このほか、「ゲーム」「ショッピング」の利用者も多い。
ゲームではひきつづき恋愛シミュレーションゲームのジャンルが伸びている。マイメニュー登録者数は1年で約2倍となり、「50〜60万のユーザーがいる」とのこと。「占いやメール、動画などの要素や、実写などを取り入れることでさらに市場は伸びるだろう」とした。
ショッピングの事例として原田氏は、ニッセンのモバイルサイトを紹介した。同社のモバイルサイトにおける売上額は2008年度で147億円。ニッセンホールディングスの通販事業の売上高が964億円であることを考えると、およそ15%を占める計算になる。モバイルサイト限定商品の販売や、在庫わずかな商品のメールを使った告知、iチャネル限定セールといった取り組みが奏功しているという。
また、2008年4月に新設した「企業・ブランド」ジャンルも掲載企業の伸びに伴ってアクセスが増え、現在のユニークユーザー数は月間1000万人近いとのこと。10月13日に公式サイトとなった日本HPでは、公式化したことでモバイルトップページへの1日あたりの訪問者数が5倍に伸びたとのことだ。
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