Googleは米国時間10月28日、「Android」向けの新しいアプリケーション「Google Maps Navigation」を発表した。「Android 2.0」とGPS機能を搭載した携帯電話で動作し、「Google Maps」を使ったナビゲーションサービスを提供するもので、音声認識や「Google Street View」の機能を統合した使いやすいユーザーインターフェースを備えている。Google Maps Navigationも、ほとんどのGoogleによるサービスと同様、無料で提供される予定だ。
Googleの最高経営責任者(CEO)、Eric Schmidt氏は27日、本社で報道陣に説明を行い、「Androidをはじめとする現在のモバイルプラットフォームは強力で、クラウドと接続してあっと驚くようなことを実現するクライアントアプリを開発できる」と語った。
携帯電話ナビゲーション業界の企業は、かなり前からこの日が来るのを予見していた。今のところGoogle Maps Navigationはベータ版で、Android 2.0を搭載した携帯電話でないと動作しない。Android 2.0は間もなく提供が開始される予定で、MotorolaがVerizon Wireless向けに発売する「Droid」が初の搭載機になるとみられている。
報道陣向けの説明会では、Googleのエンジニアリング担当バイスプレジデント、Vic Gundotra氏が登場し、Droid上でこのアプリのデモを披露した。同氏自身はこの端末がDroidだとは認めなかったが、Android 2.0を搭載した光沢のある黒色の端末で、Verizonのネットワークを利用しており、Motorolaのマークがついていたので、あながち間違いでもないはずだ(太平洋夏時間午前7時24分更新:28日になって発表されたGoogleのプレスリリースで、以下の記述を確認した。「Google Maps NavigationとAndroid 2.0を最初に搭載する携帯電話は、VerizonのDroidである」)。
とはいえ、Googleは「iPhone」でのナビゲーションサービス提供に向け、Appleと共同で取り組んでいるほか、世界中の自動車で使われている携帯型ナビゲーション機器のメーカーにGoogle Maps Navigationをライセンス提供する可能性も排除していないと、Gundotra氏は説明した。同氏によると、iPhoneの「マップ」(Maps)はiPhoneに最初から組み込まれているアプリであるため、Appleへの提供はApp Storeに掲載する通常のプロセスとは少し違ったものになるという。
Google Maps Navigationは、既存のナビゲーションシステムと同じように利用できるが、それに加えて通常ならパソコン上でしか使えない「Google Search」とGoogle Mapsの機能を統合し、スマートフォンでも使用可能にしている。なかでも最も興味深く便利な機能は、Street Viewを使ったものかもしれない。これはナビゲーション中にアプリが案内する曲がる場所すべてについて、GoogleがStreet Viewの画像を提供するというものだ。
ほかのナビゲーションシステムと同じように、ユーザーは道中にあるガソリンスタンドやレストランを検索でき、リアルタイムの交通情報も得られる。また、Googleはこのアプリ用に少し離れた場所から操作できる車載用ユーザーインターフェースも開発した。端末が車のダッシュボード上のホルダーに設置されたことをソフトウェアが検知すると、このインターフェースが自動的に立ち上がり、ボタンがより大きくなるほか、音声操作へのリンクが画面の真ん中に表示される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」