HOYA PENTAXイメージング・システム事業部は9月17日、エントリー向けのデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-x」を発表した。10月中旬より発売する。
2008年10月に発売した「PENTAX K-m」をベースに開発したもの。デジタル一眼レフカメラとしてはクラス最小となるはがきサイズの小型軽量ボディに、有効約1240万画素の高精細画像、超高感度撮影、最高約4.7コマの高速連写などの上位機に迫る高い基本性能を備えた。ライブビューや最大16人までキャッチする顔検出AF機能を搭載し、1280×720(16対9)ピクセルで24fps(フレーム/秒)のHD動画撮影もできる。
基本性能に加えて、さらなる目玉となるのは豊富なカラーバリエーションだ。店頭モデルは、ホワイト、レッド、ブラックの3色だが、新たな試みとして、カメラ本体20色とグリップ各5色の組み合わせ、全100種類から選べるオーダーカラー受注サービス「PENTAX K-x 100colors,100styles.」を同日より開始した。Pentax Online shopでカラーをシミュレーションして購入できる。
価格は、「PENTAX K-x レンズキット」(smc PENTAX-DA L 18-55mmF3.5-5.6AL付き)が6万9800円。「PENTAX K-x ダブルズームキット」(smc PENTAX-DA L 18-55mmF3.5-5.6AL、smc PENTAX-DA L 55-300mmF4-5.8ED付き)が8万9800円。
また、2008年のグッドデザイン賞を受賞した「コレジャナイロボ」で知られるザリガニワークスとのコラボレーションモデル「K-x コレジャナイロボモデル」も発表した。ストロボの部分の顔はザリガニワークスによる直筆で、100台限定のモデルだ。価格は未定だが、オンラインショップ価格+1万円程度で調整したいとしている。
K-xの商品コンセプトは「いい写真を撮りたいすべての人向け一眼レフ」だ。その背景には、一眼レフカメラの所有意向者や購入層の変化がある。
同社の調査によれば、「初めて一眼レフを購入する人」が2007年は16.3%だったのに対し、2009年には24.6%へと増加したという。
また、余暇の過ごし方として「写真撮影」を挙げる人は、1位の60代男性(12.8%)に続き、2位に20代女性(9.8%)がランクインしたほか、年代を問わず広がるブログなどの背景もあり、きれいに写る高機能なカメラを求める人が増加していると分析。そのことから、(1)ミドルクラス並のカメラ性能、(2)かんたん・手軽、(3)多彩な写真表現の3点に力を入れて開発した。
HOYAは、今回の発表にあわせて5年ぶりとなる商品発表会を開催した。HOYA 取締役執行役 最高執行責任者の浜田宏氏は、「HOYAと一緒になってどうなるのか。最近は元気がない。カメラ事業から撤退するのではないか、などと言われてきた。(こうして発表することは)ペンタックスのカメラはなくなりません、というコミットメント」と挨拶し、これからもカメラ事業を継続していくことをアピールした。
ペンタックスがHOYAへ経営統合されてから約2年、どのような変化があったのだろうか。これについて浜田氏は、「ペンタックスはくそ真面目で妥協しない会社。オーバークオリティといってもいいものを作ってきた。一方でそれが悪い方に出ると、いいものを作ったから売れるさ、と蛸壺に入った考え方になりがち。いいものを作るのは当たり前。買ってもらって喜んでもらうための、マーケティングマインドを社内に植え付けた」と話した。
今回のカラーバリエーションについて、「(スペックは)どこにも負けない自信があるから、新しい提案もしてみようと思った。2年間の取り組みの最大のプレゼンテーション」と浜田氏は話す。
関係者によれば、「まじめに作っているから、少しは息抜きも必要と思った。スペックに詳しくない、形から入った人でもきれいに写るカメラにした」としており、これまでとは違う新たなユーザー層を取り込みたい考えを示した。
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