「Espresso Book Machine(EBM)」のメーカーであるOn Demand Booksは米国時間9月17日、パブリックドメインのデジタル書籍を集めたGoogleのライブラリにアクセスし、EBMで利用するための許可を得たことを発表するとみられている。EBMは300ページの書籍を4分間で印刷し、カバーを付けて製本することができる。価格は構成によって7万5000ドル〜9万7000ドルで、主に世界の大学や図書館、公共施設などに設置されている。
EBMはしばらく前に登場しており、2007年にTime Magazineの「Best Invention of the Year」賞を獲得している。さらに、比較的小型のオンデマンドプリンタを使うというコンセプトも、新しいものではない。Barnes & Nobleは10年前にこのアイデアを検討しているし、出版社も以前から、書籍の需要と供給をより密接に一致させられるシステムを求めている。
Ingram Book Groupの一部門であるLightning Sourceなど、いくつかの出版社がOn Demand Booksと契約を結び、自社のタイトルをEBMで印刷することを許可している。しかし、On Demand Booksの最高経営責任者(CEO)であるDane Neller氏によると、Googleのパブリックドメインライブラリを追加することで、EBMから利用できる書籍の数は劇的に増加するという。On Demand Booksは現在、既存の契約を通して150万のタイトルを提供しているが、Googleがこれまでにスキャンしたパブリックドメイン作品の数は約200万に上る。
Googleは「Google Books Search」プロジェクトが、他の企業にも書籍の配信や消費に関する新しいビジネス機会を提供できると考えている。というのもここで扱う電子書籍というのは、単に容量の大きいファイルに過ぎないためである。「Kindle」のおかげで、人々がデジタル書籍の購読に興味を持つことは証明されたが、EBMを利用すれば、作家や出版社はデジタルブックリーダーを持たない読者にまでリーチできる。
もちろんGoogleがOn Demand Booksとの提携の下で提供するのは、著作権が切れた書籍だけである。Googleが作家や出版社に提示したBooks Search問題の和解案で議論を呼んでいる、著作権で保護された絶版書籍などは対象とならない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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