IR活動に浸透するツイッターのとまらない勢い

米山徹幸(大和総研)2009年09月09日 14時37分

 世界で利用者が急増中のTwitter(ツイッター)は、140文字以内の「つぶやき」のような短い言葉をネット上に投稿し合う無料のサービスである。ミニブログともいわれ、短文で素早く他の会員と情報を交換できるライブ感でユーザーの好感度も高い。2009年6月、ツイッターはユニークビジターだけで4,450万人を突破した(米国調査会社調べ)。

 この夏、ツイッターに関連する2つの報道がIR関係者の間を駆けぬけた。まず、7月31日、米広告大手バーソン・マステラーが、総収入ランキングの米企業トップ100社をリストアップした「フォーチュン100」の各社を調べたところ、ソーシャルメディアの中で、ステークホルダー向けの広報にツイッター(54%)を活用している企業がフェースブック(29%)やブログ(32%)より多いという結果が判明したと発表した。

 そして、この3つのソーシャルメディアの中から1つだけを利用する企業は21%で、そのうち1つだけを利用する場合、「ツイッターのみ」とした企業が76%に達した。さらにブログとツイッターを併用する企業は64%で、ほぼ3社に2社の割合となり、ツイッターの強さが明らかになった。ツイッターを利用している企業の94%が最新ニュースやリリースに関連した情報を発信し、67%が顧客サービスに活用し、質問に答え、ほかの情報も流す。

 また、8月26日、IRサイト向けソフト大手のQ4ウェブシステム(本社カナダ・トロント)は、ツイッターにアクセスのある公開企業80社を調査し、そのうち44社が投資家向け広報(IR)でツイッターを利用していると発表した。ツイッターを利用する割合は半数を超す55%だ。

 この44社のなかで四半期決算に使わなかったのは5社にすぎない。利用した39社のうち68%がプレスリリースとのリンクを用意し、11%がプレスリリリースとウェブキャスティングにリンクを張っていた。例えば、ネットワーク機器最大手のシスコシステムズは、CEO(最高経営責任者)やCOO(最高財務責任者)のインタビュー・ビデオにリンクし、同様にタイム・ワーナーではCEOが決算結果を語る動画共有サイトのユーチューブにリンクを張っている。

 2つの調査報告とも、6月10日、全米IR協会(NIRI)の年次大会で、Q4ウェブシステムのダレル・ヒープスCEOが明らかにした「ツイッターは情報の更新通知に利用され、ブログは一部に優れたものはあっても、さほどの広がりがなく、フェースブックはマーケティングや求人に利用されている傾向」という指摘を裏付ける内容だといえる。

 ところで、日本企業のIR活動でツイッターの利用はどうか。話題にはなるが、多くの企業にとってツイッターの利用はこれから検討する課題のようだ。IR担当者としては携帯サイトのコンテンツとの関係もある。それにしても、急速な勢いで企業の広報・IRに浸透する「ツイッター」の動きから当面、目を離せない。

◇ライタプロフィール
 米山徹幸(よねやま てつゆき)
大和総研・経営戦略研究所客員研究員。近書に「大買収時代の企業情報〜ホームページに『宝』がある」(朝日新聞社)ほか。最近の論文に「ついにXBRLの企業情報時代が始まった」(「広報会議」09年10月号)、「日証協、アナリストカバレッジの向上で提言」(「月刊エネルギー」09年9月号)など。

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