インターネット誕生から40年--歴史の光と影 - (page 4)

文:Stephen Shankland(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年09月07日 07時30分

 ノイズからシグナルを選り分けることは不可能に近い場合がある。そして、その後にはスパムへの対応が待っている。

 インターネットは多くの新しい犯罪をもたらし、個人情報の盗難や経済詐欺も助長している。ストーカー行為はこれ以上なく簡単になり、数多くの乗っ取られたコンピュータによる分散型DoS攻撃で、企業の業務が停止させられることもある。

 筆者の実感として、インターネットがニュースの過剰供給をもたらしたことで、ジャーナリズムは経済的に苦しんでいる。記者の数が減少し続けることは、新しい声が登場し、何が起こっているかを追跡しやすくなったことで、相殺されるとも言える。しかし筆者は、報道機関が汚職などの問題を暴く力が徐々に弱くなるという懸念を持っている1人だ。

 インターネットはグローバル化も勢いづけた。これによって、より豊かな国の高賃金の労働力が、それ以外の国の安価な労働力に取って代わられ、雇用の喪失と敵意をもたらした。

 筆者が考える最も懸念すべき問題は、人々自身がインターネットでの社会的交流に適合させてきた問題から派生するものだ。

 われわれの脳は部族のサイズくらいの社会的集団に合わせて作られているようだが、今ではわれわれの生活の一部は世界全体に向けて展示されている。もうカーテンを閉めるだけではプライバシーを守ることにならないし、ソーシャルグラフの機微に夢中になっていない誰かにFacebookの情報共有メカニズムを教えるのも大変だ。

 インターネットは、政府による検閲やプロパガンダに手を貸す可能性もある。筆者の本能的直感では、情報を広めるインターネットの力は、特に「Google Translate」などのテクノロジによって増大させられたときには、最終的にそれらに勝るだろうと思うが、それは確実なことではない。

 このように、インターネットはたくさんの問題をもたらしている。しかし、インターネットは、重要性、力、影響範囲を増していくばかりだ。そこで筆者としては、次の40年間、インターネットを受け入れて、良い方向へ向けるよう試みることを勧める。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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