このバブルの崩壊は業界を大変動させたが、インターネットの歴史の中ではほんのささいなことだ。Netcraftによれば、2009年8月の時点でウェブサイトは2億2600万サイトあり、これはバブル崩壊の頃の10倍近い数だという。Googleは、インターネットの混沌とした情報を理解できるようにするという非常に採算性の高いビジネスで、多くの新興企業の倒産でできた空白を埋めた。
インターネットで注目に値するのはおそらく、それがどれほど有機的であるかということだ。短期的には、さまざまな企業が問題を抱えたり、テクノロジが新しい需要に適合できなかったりといった混乱がたくさんある。しかし長い目で見れば、研究者やコンピュータ会社、標準化団体や新興企業が常にインフラストラクチャをアップグレードし、それを使う新しい理由を提供することで、このシステムは機能し続けている。
成長の次の段階は、クラウドコンピューティングによるものだ。ここでは、人々は自分のマシンではなくネット上に置かれたソフトウェアを使う。膨大なサーバの集まりが、人々の使うアプリケーションを格納し、それを現在はパーソナルコンピュータや携帯電話で、そして将来的には車載コンピュータやほかのデバイスで使用できるようにする。
現在のクラウドコンピューティングアプリケーションは、PCベースのものに比べて未発達だが、ブラウザは、加速されるグラフィック機能、PCのプロセッサパワーのネイティブな利用、プログラミングツールの成熟によって、新たな需要に応えられるところまで進化している。そうした能力の向上によって、より洗練されたアプリケーションの登場が促される。
インターネットは決して完ぺきなものではなく、例外なく有益ということもない。
インターネットによってコミュニケーションが簡単になったことで、電子メール、インスタントメッセージ、RSSで配信されるブログ投稿、Twitterでのつぶやき、Facebookの更新など、一連の新しいチャネルが生まれた。連絡を取り合うには便利だが、常に変化する飽和状態のコミュニケーションチャネルの集まりに取り組まなければならないということでもある。
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