消費者をだまして「iPhone」ですでにマルチメディアメッセージングサービス(MMS)が利用できると信じ込ませたとして、AppleとAT&Tが訴えられた。同様の訴訟がほかにも起こされており、今回は2009年8月で少なくとも3件目となる。
オハイオ州北部地区連邦地方裁判所に提出された訴状(PDF形式、Wiredによる提供)の中で、原告のDeborah Carr氏は、AppleとAT&Tが一般大衆を欺き、「iPhone 3GS」でMMSを送受信できると信じさせたと述べている。この訴訟での主張によると、Appleの「テレビ、インターネット、ラジオ、新聞、ダイレクトメールを利用した印刷やビデオなどの広告」がすべて、同機器でMMSが利用できることに言及していたという。
両社に対しては、2009年8月に同様の訴訟が2件、イリノイ州とルイジアナ州で起こされている。
InformationWeekが最初に報じたオハイオ州における訴訟によると、顧客は「iPhone OS 3.0」がリリースされた2009年6月17日からMMSが利用できると告げられたという。
Appleの「Worldwide Developers Conference」における6月8日の基調講演で、AppleとAT&TがMMS機能は2009年晩夏まで利用できないと発表していたことを考慮すると、そうした主張はやや奇妙に感じられる。Wiredの8月28日の記事でも、AT&Tはこのスケジュールを認めている。
WiredはAT&Tの関係者の発言を次のように引用した。「当社は、顧客がMMSで最良の経験を確実に得られるようシステムをアップグレードし、それが完了してから晩夏にiPhone OS 3.0をアップグレードして、iPhone 3GSと『iPhone 3G』で必ずMMSの提供を開始する」
Carr氏の訴状でも、Appleのウェブサイトに、MMSのサポートは晩夏にAT&Tから提供されることを説明する注記があったことを認めているものの、文字が小さかったとして「mouseprint disclaimer」(ネズミしか読めない断り書き)と呼んでいる。
技術的には、AppleはすでにiPhone OS 3.0でMMSを利用可能にしている。その証拠に、世界中で29の通信事業者が、6月17日の新OSリリース時にiPhoneでMMSの提供を開始している。米国ではまだ利用できないが、それはAT&T側で提供の準備が整っていないためであり、これは6月8日に公表されていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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