Googleは1年前、同社の「Firefox」用ブラウザ同期プラグインを見捨てたが、このアイデアが「Google Chrome」で再浮上している。そのやり方からは、このテクノロジを「Google Chrome OS」に適用できるのではないかという可能性を考えさせられる。
GoogleのTim Steele氏は米国時間7月31日、メーリングリストへの投稿の中で、GoogleはChromeの異なるバージョン間でブックマークを同期するシステムを構築する準備を進めていると述べた。これを補足する投稿でSteele氏と同社のプログラマーIdan Avraham氏は、同社が、将来的にはパスワードを含めたほかのデータタイプにもこれを拡張していく考えがあることを示した。
「ほかのデータタイプのことを考える前に、ブックマークに集中し、きちんと完成させたいと考えた。ブックマークを選んだのは、ブックマークが、一般にユーザーにとって最も重要なだけでなく、同期させるのが最も難しいデータタイプだからだ」(Avraham氏)
ブックマークの同期はかなり基本的なコンセプトだ。以前「Foxmarks」と呼ばれていた「Xmarks」プラグインは、何年も前からFirefox上でこの問題を解決している。ユーザーはウェブアドレスを完全な状態で保存したまま、仕事場のコンピュータから自宅のコンピュータに移動できる。Googleには、今はなくなったが独自のオプションがあったし、Mozilla Foundationも独自に、ブックマーク、パスワード、タブなどの情報を同期する「Weave」というプラグインを構築している。Yahooの「Delicious」サービスはずっと前から、クラウド上でブックマークを集中保管し、これをコンタクトとも共有できるようにしている。
よって、GoogleがChromeにブックマークの同期機能を加える必要があると感じるのは、驚くべきことではない。同社がブックマークのリストを保存するために、ユーザーのGoogleアカウントを利用しようとしているのだから、なおさらだ。Googleは、アプリケーションの実行をユーザーのローカルコンピュータの処理能力に頼るとしても、ユーザーのアプリケーションの状態をクラウド上に保管するという考え方を気に入っている。
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