ワシントン州レドモンド発--Microsoftが米Yahooと検索分野で提携したことを受け、Microsoftにとって検索がそこまで重要なビジネスである理由と、検索ビジネスの今後の進め方について、同社オンライン部門のトップであるQi Lu氏が概要の説明を行った。
Lu氏はまず、大勢の金融アナリストに向けて、このビジネスが大きな利益を生み出し得るものであることを約束した。
「規模が大きくなれば、大きな利益が見込める事業だ」と、Lu氏は説明した。
やっかいなのは運営の規模が大きくなくてもコストの大部分は同様にかかるということで、Microsoftはこの問題に直面している。「仮にユーザーがたった1人だとしても、ウェブ中をクロールする必要がある」と、Lu氏は言う。
問題はそれだけではない、とLu氏は語った。規模が小さいと、当然ながら表示される広告も少なくなる。すると検索時に表示される広告の関連性が低くなり、収益性が下がるばかりでなく、ユーザーの検索体験もあまり魅力のないものになってしまう。
Yahooとの提携は、規模の面でMicrosoftの力になる。2社の検索シェアを合計すると、Microsoft単独のシェアの3倍以上になる。もっとも、両社をあわせてもGoogleの検索シェアの半分に満たない。
「規模の拡大には、いくつか重要な利点がある」と、Lu氏は述べた。「ユーザーからみた検索体験の質では、即座に、と言っていいほどの効果が生じる」
たとえば、サジェスト検索はかなり単純なアルゴリズムに基づいているが、サービス提供側が受け取るクエリが増えると、サジェスト検索は大幅に改善される。
とはいえ、Lu氏も認めるように、規模の問題が克服できても、Microsoftはブランドの課題に直面している。Googleブランドで他社の検索結果を表示したものと、他社のブランドでGoogleの検索結果を表示したものが与えられた場合、いまや「検索」の同義語になっている「Google」ブランドの方が選ばれることが研究で分かっている、と同氏は言う。
「Googleのブランドには力があるので、人々はそちらを好む」と、Lu氏は述べた。同氏は2008年末にYahooからMicrosoftに移ってきた人物だ。
こうした課題は一夜のうちに解決できるものではない、とLu氏は言う。
「現状については、あくまで率直でいたい。時間はかかるだろう」と、同氏は語った。
Microsoftが同社の検索エンジンを「Bing」として6月に再ローンチしたとき、同社の検索シェアはわずかだが上昇した。しかし、初期段階で集めたこの関心を維持し、さらに高めていけるかどうかはまだ分からない。
「検索市場からの初期の反応は、おおむね有望なものだった。よい1歩となったが、長い道のりのまだ最初の1歩だ」と、Lu氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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