こうした新たな変更点や、今回のMicrosoftとYahooの提携には、いくらか重要な前後関係もあることを明示しておかねばならない。検索結果は、単に断片的なテキスト情報が並ぶ、10ほどのハイパーリンク集のようなページから飛躍的な成長を遂げつつあるという点だ。一例として、Googleは、地図情報、YouTubeの動画、写真、ニュースなど、より大規模な「ユニバーサル」検索の結果をミックスして表示する。
Yahooの新たな検索ページには、SearchMonkeyの統合に加えて、ディスプレイ広告や、新ホームページで左サイドにカスタマイズ可能なアプリケーションリストとして表示されるカギとなるエレメントなども掲載される。検索結果そのものは、より大規模なパッケージデザインの一部に過ぎず、Yahooは今後、実際の検索エンジンが担うタスクをMicrosoftへと委託していくことになるのだが、それは同社がコア事業の大部分を手放すという意味ではないことを理解できるだろう。
当然ながら、検索のアウトソーシングにはコストがかかる。今回の提携によって、Yahooが最初の5年間に手にする同社サイト上の検索広告の売り上げは、現在の100%からは減少して、88%にとどまることになる。だが、Yahooは運営にかかる費用の圧縮も図ることができ、その結果として、長期的には大幅な収益性の改善が期待できるだろう。Yahooは、営業活動によるキャッシュフローとして、毎年2億7500万ドルの増加を期待している。
一方、Microsoftにとっては、Googleとのシェア争いは、より熾烈なものになっている。検索市場におけるYahooとMicrosoftを合わせたシェアは、依然としてGoogleのシェアの半分にとどまっており、29日に発表されたYahooとの提携が、以前に予想されていたよりも小規模なものにとどまったため、Microsoftは、以前より厳しい難関を乗り越えねばならなくなったことを意味している。
明らかにMicrosoftは、WindowsとOfficeという収益性の高い事業を補完する第3の事業として、オンライン事業に大きな期待を抱いている。Yahooの検索技術およびウェブサイトトラフィックの獲得は、確かに同事業にプラスとはなるものの、決して勝利が約束されたわけではない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」