PagesはMS OfficeならWordに相当するアプリです。でもWordが文章を作ることを主目的としているのに対し、Pagesはパンフレットやちらし、ポスターなど「文章入りのグラフィカルな作品」を作るアプリという印象を受けます。
というのも、起動してすぐに表示される「テンプレートセレクタ」に表示されるテンプレートを見ると、種類が豊富なだけではなくセンスのよい、見た目がきれいなものが多いのです。アプリのテンプレートファイルは他のアプリでも様々な種類のものが標準装備されているでしょうが、iWork'09のテンプレートはすぐに応用できるだけではなく完成度の高い物が揃っているように感じます。
たとえばパンフレットを作りたいなら、テンプレートからイメージの近いものを選び、あとは文字や写真を入れなおすだけです。実は仕事以外でワープロを使うことってあまりないように思います。例えば個人の名刺を作るにしてもワープロでは細かい書式の調整などが難しく、結局自作はあきらめてしまうことが多いのではないでしょうか?
Pagesの豊富なテンプレートの中には「名刺」もいくつかあり、しかもテンプレートを開くと自分のMacに登録した氏名、自宅住所などが自動的に流し込まれています。「名刺のテンプレートを開き、必要情報を入力」ではなく「テンプレートを開けば、あとは微調整で印刷するだけ」という発想は個人向けOfficeアプリのテンプレートとしては優秀だと感じます。
編集作業も各種編集作業に必要なメニューが小型ウィンドウとして開き、画面を見ながら調整などができるのが使いやすいところです。たとえば文字列の全体幅を広げたり狭めたりしたいときは「インスペクタ」ウィンドウを開き、テキストの文字間隔をスライドバーを使って左右に調整するだけ。見た目のよい印刷物を簡単に作ることができるわけです。
もちろんテンプレートを用いず、空白の書類から文章を作成することもできます。この場合でも適時画像を貼り付けたり、文章作成画面内にテキストボックスを作成し、自由な位置に文字列を配置するなど簡易的なレイアウトアプリとしての利用も可能です。すなわちPagesは文章を作成するだけではなく、印刷物という作品を仕上げることができるアプリと言えるでしょう。そしてこれだけの機能があるのですから、仕事用途としても十分利用できるでしょう。Wordと併用することをお勧めしたいと思います。
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