デザインにこだわる人たちは、ウェブページをきれいに飾る埋め込みフォントに胸を躍らせることだろう。だが書体デザイナーは、自分の作品が不法にコピーされる道がまた増えるのではないかと疑っているかもしれない。
Firefox 3.5のさらに内部には、オフライン時にウェブアプリケーションが動作できるようにするための、HTML 5のストレージ機能が加わった。また、「Web Workers」という機能によって、ウェブアプリケーションは、ユーザーインターフェースの動作を停止させることなく、バックグラウンドで複数のタスクを実行することができる。より高度なグラフィックのためにCSSやSVGなどの規格のサポートも向上した。さらに、位置情報機能によって、自分のいる場所をウェブサイトに知らせることができる。これは地図など地域に関するサービスの利用に便利だ。
こうした機能は全体として重要な基盤となるが、Firefox 3.5に導入されただけでは第1段階にすぎない。Firefoxユーザーは比較的すぐにアップデートを行う傾向があるが、ウェブではまだ少数派だ。ウェブプログラマーは十分な人数に達するまで待ってから、最新のブラウザ機能のサポートに取りかかるものだ。
競合ブラウザも立ち止まってはいない。Chromeは2008年9月の立ち上げ当時、ブックマーク管理のような多くの重要な機能が欠けていたが、Googleは迅速にこの製品を強化しており、2009年5月には荒削りながら「Mac OS X」およびLinuxバージョンも追加した。Googleは特にJavaScriptエンジン「V8」のさらなる高速化に取り組み続けており、Chromeの拡張機能メカニズムも急速に成熟してきている。
一方Appleは6月に、Windows版とMac OS X版の「Safari 4」をリリースした。SafariはウェブページのレンダリングにChromeと同じ「WebKit」エンジンを主に使用しているが、JavaScriptには、Appleでは「Nitro」、WebKitでは「Squirrelfish Extreme」と呼ばれるエンジンを使っている。AppleはSafariを「最速のブラウザ」と声高にうたっている。その主張は尊大だが、現在のブラウザ競争においてはパフォーマンスが重大な問題であることを際立たせている。
だがFirefoxの開発者も自己満足に浸ってはいない。「Namoroka」という開発コード名を持つFirefox 3.5の次のバージョンでは、パフォーマンスの改善を最優先にしている。これには起動の高速化も含まれるが、この点では現在Chromeが勝っている。Firefoxの新バージョンのリリースは2010年初めから半ばが予定されている。
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