「質の高いものには3D眼鏡が必要だ」とCliman氏は言うが、自宅で視聴するのに不便なのはこの点だ。3D眼鏡をかけたまま冷蔵庫の方へ歩いて行って、現実の世界が奇妙に見える(3D眼鏡をかけているとそうなる)ことを望む人などいるだろうか。ところが、冷蔵庫までの道のりを3D眼鏡なしで行けるようにしてくれるテクノロジが実現しつつある。
3DTV Solutionsのチームが、別の会社のレンチキュラレンズ付きモニタを使ったデモを見せてくれた(これを「スクリーンの方に眼鏡をかけさせたようなもの」とDebons氏は言い表した)。そのデモでは、3D眼鏡をかける必要なく十分な3D体験を味わえたように思えた。ただし、このテクノロジとその他のすべての3Dテクノロジをサポートするために、同社のカメラシステムには、大半の人々が立体カメラ装置と聞いて想像するような、通常の2つのレンズではなく、8つのレンズが水平に並べて取り付けられている。
A-Voluteによる3Dオーディオテクノロジでは、利用者側で特別な機器を使用する必要がない。これは非常に画期的なことだ。同社のテクノロジでは、信号処理と、耳で聞いて脳で位置情報に変換される音の波形が人の内耳、外耳、頭部によってどのように変化するかというモデルを使用して、自分の背後や頭上から聞こえるとしか思えない音を、通常のステレオスピーカーで再生することができる。音を壁に反射させる方法には頼らない。
筆者が聞いたデモは驚くべきものだった。このテクノロジは、音にリアルタイムで位置情報を付加することができるため、映画やテレビ番組だけでなく、ゲームにも、さらには軍事や交通機関の用途にも有用なものとなっている。Boseもこれと競合するテクノロジを持っている。
3Dテクノロジは大半のコンシューマーにとってはまだギミックと見なされているものの、メインストリームに近づきつつある。これは、コンテンツプロデューサーやアーティストが近い将来よりいっそう3Dコンテンツについて考えるようになることを意味する。それは単に、それ自体で注意を引きつけるような3Dコンテンツを作るということではなく、むしろ、3Dをいわばストーリーテリングの背景に溶け込ませるようにするということだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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