ハリウッドのエリートたちが押しかけるフランスのカンヌ国際映画祭。2007年の映画祭で最も期待された初公開作品の1つが、U2のコンサートを3Dで撮影したコンペティション部門外特別招待作品「U2 3D」だ。
カンヌに集うおしゃれなセレブたちも、「U2 3D」を見るためには赤と青のフィルタ付きの立体メガネをかけなければならないのか。心配は無用。あのようなダサいメガネは過去の話だ。代わりに観客が誇らしげに見せびらかすのは、スマートなデザインの黒い特殊メガネ。それこそが、映画産業を魅了している新世代デジタル3D立体映画技術の成果である。
この技術は、カリフォルニア州ビバリーヒルズを本拠とするREAL Dとカリフォリニア州バーバンクを本拠とする3alityという2つの企業によって生み出された。そして明らかに観客に支持されている。Disney初の3Dアニメ映画「チキン・リトル」が2005年秋に公開されたとき、3D映画として上映可能だったのは全米でわずか100スクリーンであった。しかし、2007年春のDisneyの新作3Dアニメ映画「ルイスと未来泥棒」(2007年末日本公開予定)の公開時には、米国全土の720スクリーンで3D映画として上映された。Disneyの予測によれば、2007年秋には1000スクリーン以上で3D映画を上映できる見通しである。
実際のところ、この新技術で前進するREAL Dと3alityは、映画会社から幅広く関心を集めている。すでに公開されたDisney映画に加えて、ソニー・ピクチャーズが2006年夏にアニメ映画「モンスターハウス」を3Dで公開し、Paramount Picturesは2007年秋に実写の「Beowulf」を公開予定、Dreamworks Animationも2009年から全作品を3Dで公開すると2007年3月に発表した。
現在、一部の作品は2Dと3Dの両方で公開されているが、観客は料金が高くても3D方式での上映を強く求めているようだ。
ダラスを本拠とする映画館チェーンRave Motion Picturesの社長兼最高経営責任者(CEO)であるTom Stephenson氏は、次のように語った。「観客は、3Dで映画を見るためなら喜んで割増料金を払う。観客が不満を感じるとすれば、それは3Dで上映する映画館が満席であるために2Dで見なければならないときだけだ」
Stephenson氏によれば、Rave系列の映画館を訪れる観客は、同じ映画を3Dで見るために2D上映の入場料に約2ドル上乗せした額を支払う。全米各地で6340スクリーンを運営するRegal Entertainment Groupのマーケティング担当バイスプレジデントであるDick Westerling氏も、同社の系列映画館を訪れる観客は映画を3Dで見るために2ドルから2.50ドルの間の割増料金を支払うと語った。
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