ネットブックをめぐる期待と現実のギャップ--米調査で明らかに

文:Lance Whitney(Special to CNET News) 翻訳校正:湯木進悟2009年06月25日 08時20分

 単刀直入に質問するが、ネットブックとノートPCの違いは、何であろうか?どうやら多くの人々は、この違いを理解していないようだ。

 NPD Groupのアナリストが、米国時間6月23日に発表した調査リポートによれば、ノートPCを購入するつもりだったのに、ネットブックを購入した消費者のうち、その購入結果に大変満足しているとの回答者は、わずか58%に過ぎなかったという。これは、最初からネットブックを購入するつもりだったという消費者の70%という満足度とは対照的である。

 NPDはまた、消費者の不満度が主にネットブックの性能面での混乱に端を発していることを突き止めた。「NPD's Netbooks II:A Closer Look」と題する同調査リポートは、ノートPCの代わりにネットブックを購入するに至ったユーザーの60%が、ノートPCでも、ネットブックでも、特に機能面で違いはないと考えていたことが判明したと伝えている。

 一般的にネットブックは、ノートPCよりもサイズが小さく、より低価格ではあるものの、パフォーマンス面でも劣るとされているが、その差が縮まってきているのも事実である。

 同調査の対象となった人々は、パフォーマンスおよび携帯性こそが、ネットブックか、ノートPCか、どちらを購入するべきか決断する上での、カギとなる2つの要因であったと回答している。18〜24歳の回答者に限るならば、その65%が、高いパフォーマンス面での期待を抱いて、ネットブックの購入に至ったと答えている。しかしながら、期待していたよりも優れたパフォーマンスが、購入したネットブックに備わっていたと思うとの回答は、わずか27%にとどまった。

 さらに、NPDは、消費者に対して、ネットブックを選択する上で、携帯性と価格のうち、どちらが重要な要素となっているのかを尋ねた。およそ60%が携帯性を重視して選択したのに対し、価格が購入要素となったのは、およそ40%であった。しかしながら、60%のネットブックユーザーは、購入後に、1度も家からネットブックを持ち出したことがないと認めている。

 NPD Groupの業界分析担当バイスプレジデントStephen Baker氏は、「消費者にとって、購入目的に応じたPCを入手できるようにサポートしていく必要がある。小売業者およびメーカーは、ネットブックが、ノートPCの代わりにでも十分に使えると、消費者が思い込んでしまいかねない、まるでPCのような性能や一般的な機能が搭載されていることを強調して、ネットブックを販売するべきではない。むしろ、モビリティ、ポータビリティ、コンパニオンPCの必要性などを前面に出したマーケティングにより、消費者が、何を購入しようとしているのかをよく把握し、購入結果に、もっと満足を覚えられるようにしていかねばならない」と述べた。

 Baker氏は、米CNET Newsに対し、多くの消費者が、多彩な異なるブランドを幅広く受け入れるようになっており、ブランドよりも、OSに重きを置いて、ネットブックを購入するようになっていると語った。

 Baker氏は「どのOSが搭載されているのかを、人々は大いに重視している。それこそ、基本的に最も注意が向けられている要素であった。ブランドは、それほど重要視されていない」と述べている。

 一方、今回の調査結果を通して、Baker氏は、ネットブックの購入には、オンラインストアが、最も多く利用されている点も指摘した。調査対象となった40%の消費者は、インターネット上でネットブックを購入していた。サードパーティーのオンラインストアは、メーカーの専用サイトにも、十分に対抗できているようである。

 「ネットブックは、オンラインでこそ、より売れ行きが伸びる製品タイプであると考えている。購入に際して、ストレスを感じることはあまりない。それほど自由にカスタマイズ可能な製品でもないという事実を考慮に入れるならば、HP.comで購入するのも、Amazonで購入するのも大差なく、非常に容易に購入できる」と、Baker氏は語っている。

 同調査リポートは、NPDのオンライン登録者のうち、ネットブックのオーナーである、約600人の成人の消費者を対象に、5月に実施された調査に基づいたものである。

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ

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