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新聞の没落、易きに流れる世界--コンテンツ価値の「ゼロ」化を防げ - (page 2)

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易きに流れる:中国編

 中国や東南アジア、そして欧州や米国ですら、「明らかに掲載は違法」とわかるメジャーなテレビ番組や有料のスポーツイベント映像や当事国ではご禁制品質のアダルト映像、そして「うちのタマちゃん」レベルのホームビデオまで、多種多様な映像コンテンツが動画共有サイトやP2Pテレビと言った手段で幅広い人々に視聴されている。

 公式には「うん」とは言えないものの、それは厳然たる事実だ。

 公式には放送やネットでの政府無認可コンテンツの配信が厳しく規制されている中国ですら、テレビは小さな子供のもの。小学校の中学年以上はネットで自由にコンテンツを選んで視聴する、というのが常識になっている。

 DVDの違法コピーといったディスク=物財の海賊版はすでに姿を消し、すべてはネット上での流通となった。結果、海賊版よりも低いコスト=無料で流通が進み、そのバリエーションも増加した。

 それゆえに、公式には中国国内では放映されていない数多くのアニメ・キャラクターグッズの販売が好調、という皮肉が生じている。そのスピード感はといえば、優れた語学力を有した学生などが競って日本語や英語の人気番組のファンサブ(翻訳字幕)を作り、放映からたった数時間のうちにネット上で視聴可能になる。

 その一方で、国策として作られた番組が溢れるテレビの視聴率は低下するばかりだ。たまに話題となった番組があっても、視聴率は思いのほか高まらない。というのも、ネット上で時間に拘束されずに視聴する人が増え、そこで発生する言説の共鳴によって話題性が高まっているためで、リアルタイムでテレビを視聴する人は減少しつつある。結果、マスメディアは従来の機能を果たすことが難しくなりつつある。

易きに流れる:日本編

 無料かつ著作権など法的な拘束が及ばないコンテンツに需要があるのは、なにも中国ばかりではない。日本でもニコニコ動画など無償、あるいは廉価で利用可能な動画共有サイトなどのコンテンツ配信サービスで人気がある映像は、利用者にとって著作権による制限が少ないものだ。

 たとえば、初音ミクという「ソフトウェア」を駆使すれば、ある程度完成されたレベルのものを利用者自身が作り出せる。それらの楽曲を用いた著作権放棄作品など、観るだけではなく利用者が参加=加工することで生まれる新たな二次創作作品が増加すると、その素材となったオリジナルに加えて影響力が波状に広がり、最終的には大きな影響力が生じる。それを僕は、「コンテンツの共鳴」と呼び始めている。

 価格、そして利用においてより難度が低いところに利用者の心理は流れ、共鳴をし始めているのである。

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