「スター・トレック」最新作のテクノロジ--制作者たちの「リアルさ」へのこだわり - (page 2)

文:Daniel Terdiman(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年05月21日 07時30分

 ご想像通り、「スター・トレック」は効果とアニメーションで大いに楽しませてくれる作品だ。同映画の視覚効果スーパーバイザーであるILMのRoger Guyett氏によると、合計で1時間の視覚効果が使用されているという。Guyett氏は、「(効果の)すべての面を計画し、じっくり考えなければならない。(世界全体を)作り出す作業の量は、過小評価されやすいものだ」と述べている。

 Guyett氏によると、それでもAbrams氏は、この映画を非常に立体感のあるものにしたかったという。それは、すべてをCGに頼るのではなく、できるだけ多く撮影して、視覚的な効果を加えることを意味していた。「これは、(観客が反応できるセットを実際に作成した)オリジナルの『スター・ウォーズ』のやり方に近いものであり、後で(CGを使って)すべての空白部分を埋めるという方法ではない」(Guyett氏)

 例えば、シャトルハンガーをどう作るか考えていたとき、Abrams氏は、デジタルで作成するのではなく、実際のセットを作ることに決めた。それには、適した場所をみつけて、映画のほかの部分と雰囲気が合うように照明をあてる必要があった。

 Guyett氏は、この手法のメリットの1つは、俳優たちが実際のセットで演技できるようになる点であり、その理由は想像力を働かせる必要が減るからだとしている。風が吹いているかのように演技しなければならないのではなく、「実際に風が吹いていて、顔にあたっている」とGuyett氏は言う。

 Guyett氏とチームにとって、もう1つの大きな課題は、作品中の大量の破壊シーンを扱う方法を考え出すことだった。

 Guyett氏は、例えば、2隻の宇宙船が衝突してバラバラになる映像に現実感を出さなければならなかったと述べている。しかし、宇宙でのそういった出来事に伴う物理的現象は、地球の大気圏内で起こる場合とは大きく異なっている。同様に、チームは、エンタープライズ号に命中したミサイルの爆発を現実的に見せる方法を考え出す必要があった。

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