「スター・トレック」最新作のテクノロジ--制作者たちの「リアルさ」へのこだわり - (page 3)

文:Daniel Terdiman(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年05月21日 07時30分

 Guyett氏は、宇宙での「物理現象の法則は同じではない。爆発の様子は異なる」と言う。

 宇宙での爆発の物理現象を適切に見せるのは、簡単なことではなかった。しかしGuyett氏は、ILMで仕事をする最大の利点の1つは、ほとんどどんな科学的な難問についても相談できる「天才」が同社に大勢いることだと述べている。

 「電子メールを送って、『宇宙で宇宙船が爆発したら、実際どうなるか』と聞けばいい」(Guyett氏)

 ILMには最新のツールがあり、重力、あるいは無重力が、宇宙での爆発に及ぼす影響を正確に示してくれるので、それから映画制作者たちは、社内の科学専門家が言う様子にできるだけ近く見せる方法をみつけることができる。

 Guyett氏の説明によると、ILMのコンピュータを使うことで同氏のチームなどは、映画での核爆発のようなものをシミュレーションでき、費用も手が出せないほど高いものではないという。同氏は、つい4〜5年前にはそんなことは不可能だったと述べる。例として「メン・イン・ブラック」を挙げ、同映画での衝突シーンの制作は、高価な模型を壊さなければならなかったため、非常に費用がかかったと語る。それに加えて、撮影のチャンスはたった1回しかなかった。しかし当時は、その物理現象を正しく再現する技術がまだなかったため、CGではうまくいかなかっただろうと同氏は言う。

 Guyett氏は、「スター・トレック」の象徴的な要素を、筋金入りのトレッキー(熱心な「スター・トレック」ファン)の怒りを買うことなく、2009年の作品向けに新しくする方法を探すという課題もあったと述べている。

 例えば、Guyett氏とAbrams氏は、転送装置の効果を作り出そうと延々と取り組んだという。「それは、『スター・トレック』の世界では非常に象徴的なもので、誰もが知っている音だ」(Guyett氏)

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