“複雑系”使ったレコメンデーションで世界に羽ばたく--サイジニア吉井社長

岩本有平(編集部)2009年05月18日 18時42分

 行動履歴や属性情報をもとに、そのユーザーにとって最適な情報を提案する「レコメンデーションエンジン」。この分野に複雑系工学理論でアプローチするのがサイジニアだ。

 すでに海外でも評価され導入実績を持つ同社のレコメンデーションエンジン「デクワス」は、ウェブビジネスをどのように変えていくのか? そしてまた、同社は今後、どういった事業を展開していくのか。代表取締役CEOの吉井伸一郎氏に聞いた。

サイジニア代表取締役CEOの吉井伸一郎氏 サイジニア代表取締役CEOの吉井伸一郎氏

--サイジニアはどういったサービスを提供しているのでしょうか。

 我々は、「行動履歴をアーカイブして、ビヘイビア・ウェアハウスを作っていく」ということをミッションと考えており、その実現に向けてさまざまなサービスを作っていく予定です。

 その1つがレコメンデーションエンジン「デクワス」です。よく“レコメンデーションエンジンの会社”と思われがちですが、それがサイジニアのゴールではありません。

 社名のサイジニアとは、サイエンスとエンジニアリングを合わせた造語です。サイエンティストが考えるアイデアを、優秀なエンジニアが具現化するということをモットーにしています。

--以前は北海道大学の助教授を務めていたということですが、どういった経緯で起業に至ったのでしょうか。

 私はもともと、複雑系工学のサイエンティストとして生物の進化・学習メカニズムをロボット工学に応用する研究をしていました。そしてこの研究をウェブの世界で使ってみたい、という思いを持ったのが10年ほど前です。その頃と言えば、ちょうどGoogleが起業したばかり。研究者の論文をきっかけにして、世界規模のサービスを展開していった同社を目の当たりにしたことも、起業に興味を持ったきっかけになりました。

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